夫婦の寝室、夫は同室がいいと言うけれど……
夫婦は寝室をともにするべきかどうか。昔から議論の的になる話題だが、寝室を別にすることで無用な争いをしなくなった夫婦がいる。
夫は同室がいいと言ったけれど……
「この春から、夫と寝室を別にしたんです。そうしたらよく眠れるようになって、私はいつでもご機嫌。夫も私が機嫌がいいからほっとしているようです」
そう言うのは、クミコさん(48歳)だ。この春、遠方の大学に入学した長男が家を出ていき、彼女がその部屋で寝るようになったのだという。
「3LDKのマンションなので、息子と娘に一部屋ずつ、私と夫が同じ部屋で寝ていました。だけど夫、夏は冷房を効かせすぎるし、いびきはうるさいし。ときどき私はリビングのソファで寝ていたくらい。夫は『夫婦は同じ部屋で寝るべきだ』と豪語していましたが、それを無視して、私が息子の部屋を使うようになったんです」
結果的にクミコさんはぐっすり眠れるようになって体調がよくなり、精神的にもイライラしなくなったのだという。
彼女のように中高年になってから、寝室を別にする夫婦は増えている。そのほうがお互いによく眠れるからだ。睡眠は健康の源のひとつである。
別室にしたら夫婦仲がよくなった
家が狭いため、なかなか別室にできない夫婦もいるだろう。それでもクミコさんのように機会があれば別室にしたほうがいいと、特に女性たちは考えているようだ。
「うちはたまたま夫の両親が亡くなり、一軒家があいたのでマンションを売って引っ越しました。部屋数も今までより多くなったので、私はすぐに夫婦別室を主張。夫も渋々賛成してくれて。夫は帰りが遅くなることも多く、朝早く出勤する私はそのたびに睡眠不足になっていたんです」
うれしそうにそう言うのは、マヤさん(43歳)。別室にしたら、夫が何時に帰ってこようがほとんど気にならなくなったとか。
「逆に私が朝早く起きて、子どものお弁当を作っていたりしても、夫は音が気にならないようです。お互いに熟睡できるようになった。と同時に、それまでほとんどなくなっていた夜の生活も復活したんですよ」
ときおり、マヤさんは自分の枕をもって夫の部屋を訪れる。なんだかいけないことをしているような気持ちになり、興奮するのだという。
「新鮮なんですよね。夫もそれは楽しみにしているようです。夫が私の部屋に来るのは禁止なんです(笑)。あくまでも主導権は私、ということで。こういう夫婦関係もいいなと思っています」
別室にすることで、恋愛感情のようなものが蘇ったと感じているとか。意外な効果もあるようだ。
「どうせならいつまでも仲良くしていたいですもんね。別室にすることで、逆に相手のことが気になる。いきなり部屋をノックすることもあるし、LINEで『今から行ってもいい?』と尋ねることもあります。そんなに広い家じゃないんだけど、そうやっていることが楽しいんです」
馴れ合った夫婦だからこそ、新鮮さを演出することも楽しみのひとつかもしれない。