増税を嘆いてもはじまらない
消費税が上がるということで、家計への影響が心配されます。私自身も家計を預かる身なので、消費税アップは歓迎できることではありません。でも、日本に住んでいる以上逃れることは不可能。だったら嘆くのではなくて「どうすればいい」と考えることにしています。
生活水準を下げない方法
増税で一番しわよせがくるのは食費や日用品だと思います。ネット上でも「節約」という言葉がよく出てきますが、節約に直結するのは日頃の出費です。でも、節約には限度があります。収入が30万円の人はいくら頑張っても節約できる金額は30万円。それ以上の節約はできません。もちろん、生活することを考えれば収入額と節約額が同じになるわけがありませんし、今までも節約に取り組んでいる人はたくさんいます。現実的にはこれ以上の節約は難しいと私は思うのですが、節約節約となってしまうのは事実でしょう。
節約には限度がある以上、私たちがやれるのは収入を上げることです。仕事を増やすのもいいのですが、もっと身近にお金は転がっています。そう不用品です。家の中にある不用品の2次流通価格の総額を「かくれ資産」と呼びます。ニッセイ基礎研究所がメルカリのデータ提供をうけ、2018年10月に全国の10代〜60代2536人に調査を行った結果、日本のかくれ資産の総額は37兆円。国民一人当たり28万円という結果が出ました。
参考:ニッセイ基礎研究所
28万円あれば増えた消費税は楽にカバーできる
消費税が8%から10%つまり2%上がることを踏まえ、28万円を上がった消費税分として考えるのであれば、いくら使えばこの金額になるのでしょう。計算をしてみると、なんと1400万円です(消費税8%なら112万円、消費税10%なら140万円。この差額が28万円という計算)。ごくごく一般的な家庭では年間1400万円の消費はできません。
逆に考えると、かくれ資産28万円があれば、消費税が2%上がったとしてもこれまでの生活水準を下げることなく、今以上に節約に励むことなく生きていくことができるのです。もちろん、いずれ28万円分のかくれ資産はなくなりますが、人が生きていく上では必ず物を買い、それは不用品になっていきます。ということは、半永久的にかくれ資産が生み出されるというわけです。
不用品が売れない記憶が強く残る
かくれ資産をお金に換える場所としてはネットフリマやネットオークション、リサイクルショップなど選択肢は豊富です。たとえばネットフリマのメルカリは、現金が出品されるなど怪しいイメージもある一方で、「何でも売れる」と思われるくらい様々な物が出品されています。そのため最初は意気込んで出品をして、いくつかは買い手がついてお金が入ってきます。つまり成功体験をするというわけです。
でも、これは出品する物がたくさんあるスタート時だからです。出品を重ねるうちに売れる数は減ってきます。そうすると、初期の売れたときの感動や喜びとのギャップを感じてしまい、「売れないじゃん」と心が折れてしまうのです。そして諦めが生まれ、やがて出品から足が遠のきます。これは多くのユーザーが陥る負の連鎖です。かくれ資産がお金にならないから消費税増税分が補えない、結果買わない節約に走るという悪い循環ができてしまいます。この連鎖を断ち切るには、売れた!という継続的な経験が必要です。
売れる商品とは何か?
メルカリなどのネットフリマでは売りやすいものがあります。それらを出品していくことで売れる経験を積むことが可能です。では売れる商品とは何かというと、正直なところ「たくさんありすぎる」というのが一番しっくりくる表現です。たとえばユニクロの商品もメルカリでは人気ですし、りんごやみかんといった果物もすぐに売り切れになってしまいます。
でも1つだけいえるとしたら、それぞれのカテゴリで知名度が高く新品で買うと高い物は売りやすいということです。たとえば真珠のアクセサリーならミキモト、水筒ならサーモスといった感じです。
とはいえすべてのカテゴリにおいて人気の商品を把握するのは不可能に近いので、まずは自分が持っているもの、好きなジャンルからスタートしていきましょう。私の場合はキッチングッズに興味があるので、鍋ならル・クルーゼかストウブだなとわかります。そして、わからないジャンルには手を出さないことも大切です。広く浅くというよりは狭く深くの方が情報の精度は高まりますし、そのカテゴリに執着やこだわりを持つことができます。
未来の資産に換えるため買う物にこだわりを持つ
消費税増税になって節約を考える前に、消費の仕方を考えましょう。こわだりを持って物を買うことによって、使わなくなったときにお金に換えやすくなります。それは未来の資産ともいえるのではないでしょうか。これからの節約は、ひたすら使うお金を減らすことではなく、将来的な再販価値を見極めて筋道を立ててお金を使うことにシフトしていきます。未来型の節約は決して辛いものではなく、むしろ欲しいものをちゃんと買い、人生を楽しめるものなのです。