世界中で愛されている箱型バン/ワゴンの代表格
世界約160カ国で販売され、世界累計販売台数約602万台(レジアスエースを含めると約633万台)というトヨタ・ハイエースといえば、日本国内では商用バンだけでなく、乗用ワゴンとして不動の地位を築く「箱(ハコ)の王者」といえる存在だ。
2017年で生誕50周年を迎えたトヨタ・ハイエースは、1967年10月に「日本初の新分野キャブオーバーバン」として初代が登場。
1977年に登場した2代目は、「原点から頂点へ」というキャッチフレーズを掲げ、跳ね上げ式バックドアやディーゼルエンジン、AT追加などにより多様化するニーズに応えている。3代目は1982年にデビュー。バンとワゴンの特徴をそれぞれ強調し、ワゴン専用リヤサスペンションや4WDを追加している。4代目は、1989年にリリースされ、使いやすさと豪華さを兼ね備え、パワースライドドアなどの新しい装備も設定された。
現行の5代目は、「白金の高級ブティックにも似合う」デザインや質感が追求され、「新基準ビジネスパッケージ」というフレーズを掲げている。
安全性とディーゼルエンジンの燃費を向上
2017年11月22日に発表、12月1日から発売される最新モデル(一部改良モデル)には、ミリ波レーダーと単眼カメラによる「Toyota Safety Sense P」という、トヨタの中でもより高度な先進安全パッケージが標準装備された。
歩行者検知機能付の衝突被害・軽減ブレーキをはじめ、車線逸脱警報、ロー/ハイビームを自動的に切り替えるオートハイビームを用意。ほかにも、坂道(上り坂)での発進をサポートするヒルスタートアシスト、盗難防止に貢献するオートアラームも全車標準化されている。
さらに、ディーゼルエンジンは2.8Lのクリーンディーゼルを搭載し、トランスミッションも6AT化することで、従来よりも1.0〜1.6km/L燃費を向上。エコカー減税の免税措置対象(仕様により異なる)になっている。
安全と燃費という商品力を左右する項目を強化した王者ハイエース。ライバルの日産NV350キャラバンも2017年夏のマイナーチェンジで安全性を高めていて、商用バンやワゴン、乗用ワゴンの分野でもいわゆる「オートブレーキ」が搭載(設定)される時代になった。