ただの学園ドラマではない!『先に生まれただけの僕』の魅力

嵐・櫻井翔が「民間人校長」として高校の再建を託された商社マンを演じる注目の『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系、土曜22時)は、ここ数回の視聴率が7~8%台で推移。しかし、数字には表れない魅力があります。大人もハマる魅力をご紹介します。

大人も共感!価値ある名作『先に生まれただけの僕』

黒板
写真はイメージ

嵐・櫻井翔が「民間人校長」として高校の再建を託された商社マンを演じる注目の『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系、土曜22時)は、ここ数回の視聴率が7~8%台で推移。
 

しかし、昨今のライフスタイルの多様化、メディアの複合化、録画率の増加などを考えると、視聴率だけでドラマを評価できない時代になっていると言え、この『先に生まれただけの僕』も一般的に言われる「高視聴率」ではないにしても、数字には表れない魅力があります。その魅力は、学園ドラマの主要視聴者層と考えられる高校生だけでなく、大人世代にとっても感じられるものです。では、大人世代はどこに魅かれているのでしょう。
 

高校生のキラキラと大人のトホホに強く同意

視聴者の共感指数が、ほかのジャンルに比べ圧倒的に大きい学園ドラマ。等身大の高校生はもちろん、受験、部活、青春を経て大人になった世代もなつかしさに、胸がキュンとするものです。
 

しかし、『先に生まれただけの僕』は、なつかしいあの頃に共感するだけでなく、今を生きる大人の立場で共感できる物語。アクティブラーニングやオープンキャンパスといった「今」の高校の姿は親世代には興味深く、偏差値があがると自分の立場が危うくなると吐露する郷原先生(荒川良々)や、ペップトークに四苦八苦する先生たちの姿には、苦笑いしながらもエールを送りたくなります。
 

テーマは“改革”、一筋縄ではいかないリアリティー

“改革”をテーマに、働く誰もが目の当たりにする課題を点在させています。いくつもの壁があり(作品では職員室の抵抗勢力)困難を伴う改革、なんとか乗り越えチーム一丸となったところで、大きな壁(作品では樫松物産)が立ちはだかるのがドラマ、しかしここにビジネス手腕がスパイスされるのが本作品、進学塾や銀行に出向いて交渉し、企画書を書きあげる校長の姿に、大人世代はドラマへの距離をグッと縮めているのでしょう。
 

全員メガネスタイルが気になる、個性派ぞろいの職員室

裸眼は校長先生と保健室の先生だけ。多彩なメガネのデザインも気になります。蒼井優と多部未華子の贅沢な競演、爽やかすぎる瀬戸康史と曲者すぎる池田鉄洋など、テレビの前で「おいおい…」となってしまう楽しさも作品の魅力。ちなみにエキストラの先生たちもメガネスタイル、盤石です。
 

俳優・櫻井翔への共感

櫻井翔という俳優は『ザ・クイズショウ』や『家族ゲーム』で、すでに経験したとおり、全身全霊で役になりきる俳優であり、自分の身をすり減らしてでも大切な何かを伝えきることができる、力のある俳優です。視聴率前提の万人向けというよりは、ニッチながらもキラリと光る俳優、キャスターやアイドルとしての彼と俳優としての彼は別物なのです。
 

今回演じる商社マンは、自分が完璧ではないからこそ、現場の声をていねいに聞き、考え、決断できる聡明な人物。力説ではなく偏差値や学歴フィルターの現実をサラリと話し、その先の希望についても熱弁ではなく、考え方をサラリと話す。だから説得力がある。櫻井翔だからこその作品なのだと改めて感じます。
 

さらに期待が膨らむ『先に生まれただけの僕』

第5話は学園ドラマの輝きがギュッと詰まった名作で、変わり始めたわが校に胸を張る生徒たちが、自分たちの手で、自分たちらしいオープンキャンパスをつくり上げました。圧巻の書道パフォーマンス、日本語と英語のアナウンス、肩を組んで歌いあげた校歌、エネルギーあふれる青春に胸が熱くなりました。彼らのチカラが、さらに学校を変えていくのでしょう。

予想できない高嶋政伸演じる加賀谷専務の動向、恋のゆくえと改革のゆくえも気になります。テレビの前でガンバレと想いながら、自らも奮い立てる『先に生まれただけの僕』、まだ観ていないひともぜひ。

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