中部空港を拠点にするLCCは初めて
LCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパンが、2017年10月29日から新たに就航することが先日発表された。名古屋・中部=札幌・新千歳の路線で、1日2便の運航。チケットは10月17日から発売が始まった。
中部空港(セントレア)を本拠地とするLCCは初。エアアジア・ジャパンは今後、中部=台北・桃園線の就航も予定している。
エアアジア・ジャパンは、2014年にエアアジアが楽天などと共同で設立。当初の予定より約2年半遅れでやっと就航となった。遅れの原因はパイロットらの訓練スケジュールの見直しなどとされている。以前にマレーシアが本社のエアアジアとANAとの合弁会社で設立され、2012年8月から2013年10月まで運航されていたエアアジア・ジャパンとは別会社。
また、エアアジア・ジャパンは今回の就航に合わせ、特別セールとして一部のチケットが「5円から」のセール価格を10月22日まで実施している。
新生エアアジア・ジャパンの詳細、1日2便からスタート
エアアジア・ジャパンの中部=新千歳線の運航スケジュールは、以下の通り。
- DJ0001 中部(7:35)→新千歳(9:25)
- DJ0002 新千歳(10:00)→中部(12:05)
- DJ0009 中部(17:10)→新千歳(19:00)
- DJ0010 新千歳(19:35)→中部(21:40)
そして、運賃タイプは大きく3つに分かれている。
最も安い通常運賃で、4,190円から。機内食や座席指定などは基本的に有料となる。機内持ち込み手荷物は、どの運賃タイプも「大小2個、合計7kgまで」で、サイズなども決められている。受託手荷物は、通常運賃で15kgの場合、事前に購入すると1,200円、空港では2,900円となる。
エアアジア・ジャパンの使用機材は、エアアジアを含む他のLCCでもおなじみのエアバスA320。標準の「スタンダードシート」と、優先搭乗ができて非常口座席など足元スペースが広い「ホットシート」の2種類で、座席指定は有料となる。座席指定の追加料金は通常運賃/バリューパックで400円から。ホットシートを含む座席指定があらかじめ含まれている運賃もある。
充実の機内食、マレーシアの伝統料理や名古屋めしも
エアアジア・ジャパンでは、機内で販売する機内食のメニューが充実している。なお、機内食はすべて事前予約制。
エアアジアの拠点・マレーシアの伝統料理「ナシレマ」をはじめ、中部空港が拠点なことから「きしボナーラ(名古屋風きしめんカルボナーラ)」や「飛騨牛コロッケのベーグルバーガー」、エアアジアロゴがフォトジェニックなスイーツ「REDパンケーキ」など、お金を払ってもぜひ食べてみたいと思うメニューが揃っている。
中部拠点化はジェットスターも。エアアジアは生き残れるのか?
国内LCCは現在4社あり、エアアジア・ジャパンは5社目となる。中部空港では、ジェットスター・ジャパンが国内線と国際線を合わせて6路線を運航し、来春をめどにした中部空港の拠点化を進めている。
ただ、世界的に見てもLCCや、LCCの影響を受けて大手航空会社が経営破綻するニュースが続いている。10月2日にイギリスのLCCだったモナーク航空が突如経営破綻して旅客11万人が足止めされたり、ドイツのエア・ベルリンが10月28日で全便を運航停止したり、さらに、イタリアのアリタリア航空もLCCとの競争で経営が悪化して破綻したままの状況だ。日本の国内LCCでも新規就航したものの、減便や運休となった路線も既にある。
ジェットスター・ジャパンや大手航空会社との価格競争が激化すると、利用者にとってはチケットの代金が下がるなどありがたい一方、経営を逼迫すると先のエアアジア・ジャパンの二の舞にもなりかねない。ただ、中部空港ではLCC専用ターミナルが2019年に開業予定で、LCCの就航がまだ少ないことなどから、市場拡大のチャンスはあると言える。東南アジアをはじめとした路線で圧倒的なシェアを誇り、現在もどんどん拡大するエアアジアの強さが、再び日本で通用するのかも今後注目したい。
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