多くの工程で作られる特別な超高級サルーン
トヨタ・センチュリーといえば、多くの工程を手作業で行い、V12気筒エンジンという現代ではほとんど見られなくなった贅沢なエンジンを搭載。皇室の御料車にも採用されるなど、トヨタの中でも別格というか、聖域に属するような特別な高級サルーンだ。これほど正真正銘の「和」を感じさせるモデルも少ない。
2018年年央にも発売されるという約21年のフルモデルチェンジになる新型トヨタ・センチュリー。世界初公開される10月25日からの東京モーターショーを前に、写真が公開された。
1967年に登場した初代以来、今回で3代目となる新型センチュリーは、「匠の技」、「高品質のモノづくり」を継承するとしている。まずは、センチュリーたる所以は担保されるわけだ。
しかし、「EVシフト」、「自動運転技術」に代表されるように時代の流れは待ってくれない。
今どきの要素と伝統を融合させた新型センチュリー
そこで、新型センチュリーは、高い環境性能や乗員の快適性を追求したパッケージが採用され、伝統を継承しつつも「新しい魅力を付与した内・外装デザイン、ショーファーカーとしてふさわしい先進装備・快適装備の採用などに重点を置き、開発を進めてきた」そうだ。
センチュリーといえば、珠玉といえる滑らかな加速フィールを誇るV12気筒エンジンが特徴だったが、新型は5.0LのV8エンジンとモーターの組み合わせになるハイブリッドシステムを新たに搭載。ダウンサイジングにより、燃費性能を向上させている。
乗降性や居住性も大幅に進化。ホイールベースの拡大をはじめ、スカッフプレートとフロアの低段差化、ドアの開口高さの拡大を実施するなど、セレブが乗る後席優先の設計をさらに向上させたという。
新しい内・外装でもひと目でセンチュリーと分かる
なんせ21年ぶりのフルモデルチェンジだけに外観は多く変わった。それでも「和」を感じさせる意匠は健在で、フロントグリルなどに施された七宝文様や、リヤコンビネーションランプのガーニッシュ部の黒色化などにより、華やかさや落ち着きが表現されている。
一方の内装は、天井の中央部を上方へ一段高く凹ませる建築様式である折り上げ天井様式を採用し、専用織物を使うことで広さと高級感を付加。また後席に電動オットマンを設定するなど、座り心地を追求したリフレッシュ機能付アジャスタブルリヤシートを採用し、座り心地の良さと格の高さを実現したとしている。
東京モーターショーのトヨタ・ブースは、トヨタの顔である新型クラウンに加えて、別格の存在である新型センチュリーが登場するなど、モーターショーの主役を奪いそうな強烈な2台が並ぶことになる。