日産の完成検査工程の不備問題とは?
9月29日、日産自動車が国内の生産工場において、完成検査工程で不備があったと発表した。
自動車の生産工場では、最後の完成検査工程で、国が行う新規検査に代わって、自動車メーカーなどが自ら1台ずつ検査をすることになっている。これは、型式認定を受けたクルマがラインオフされる際の必須項目で、国土交通省がすべて検査するのは費用や人員面でも非現実的だ。
同日、日産自動車が発表したのは、三菱自動車が生産を受け持っている日産ブランドの軽自動車をのぞいて、日産車の販売会社在庫の登録手続きを一時停止するというもの。
これにより、登録ができなくなり、オーナーの手に渡る時期が大幅に遅れることになる。ユーザーにとっては車検が迫っていたり、クルマがどうしても必要だったりするはずで、日産や販売会社では代替え策も考えているだろうが、場合によっては契約を破棄して他メーカーに乗り替える人も出てくるかもしれない。
国土交通省の抜き打ち検査で判明!?
今回の完成検査工程の不備がなぜ判明したのか? 日産によると、国土交通省の指摘により、車両製造の最終工程となっている完成検査工程において一部不備が判明したためだそう。国土交通省による抜き打ち検査により判明したそう。
具体的には、追浜工場、栃木工場、日産自動車九州、日産車および日産車体九州の完成検査工程において、一部の項目において、同社により認定された検査員が実施していなかったというもの。つまり、検査はすべて行っていたけれど、検査していた人が認定を得ていない補助員だったということになる。
なお、現在では、問題の工程については規定に沿って是正され、通常通り生産と登録手続きが実施されているそう。そのため、販売会社にある在庫約6万台が対象となっている。
安全性に問題がある場合はリコールも
対象の在庫車両は、再検査を実施し、順次登録手続きを再開する予定としていたが、2日、日産は今週中に約121万台のリコール(回収・無償修理)
燃費計測不正問題で揺れた三菱自動車を救済した格好の日産自動車。思わぬ形での国土交通省による指摘となったが、自ら襟を正す姿勢がより求められるのは間違いないだろう。
※2日18時45分 リコールの情報を追記