徳島自動車道での16人死傷事故から1週間…
2017年8月25日、徳島自動車道下り車線で高校生らが乗るマイクロバスに大型トラックが追突し、16人が死傷するという事故が発生した。さらに、30日には中央自動車道上り線で工事中現場に大型トラックが突っ込み、作業員が1人死亡する事故が起きている。
停車車両に追突してしまうというのは、高速道路で起こる事故の中でも珍しいものではなく、自動車教習所でも徹底的に指導されるものだが、なぜ事故は減らないのだろうか?
車両相互の事故は停止車への追突が最も多い
内閣府の「平成26年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況」によると、平成26年中の高速道路などにおける交通事故発生状況では、車両相互の事故の割合が90.4%と最も高く、車両単独事故は8.7%、その他となっている。
車両相互の事故では、停止車への追突が最も多く、ついで走行車への追突が多いそうだ。
高速道路上でやむを得ず車を止める場合…
高速道路上では、停車しないことが大前提だが、故障や事故などで「動けずに」やむを得ず止めざるを得ない場合には、ハザードランプを点灯し、路肩や路側帯に停車させる。
発煙筒と三角表示板を車両の50m以上後方に置き、後続車両に停車していることを知らせるのだが、この際に跳ねられてしまうケースも考えられるから、発煙筒を振りながら自分の存在を知らせることが不可欠。
同乗者がいる場合は車内にとどまるのも危険
また、同乗者がいる場合は、真っ先にガードレールの外側など、そして停止車両から離れた場所に避難させ、道路上にとどまらないのも必須で、徳島自動車道の事故などからも分かるように、車内にとどまるのも危険だ。
なぜ、車内やガードレール外側でも停車車両から離れた場所にいるべきなのだろうか? ひとつは、後続車のドライバーが居眠りやよそ見をしている可能性があること。
冒頭で紹介した徳島自動車道の事故では、一部報道によると、追突したトラックのドライバーは「前をよく見ていなかった」と供述していて、居眠り運転などの可能性もあるという。
また、基本的に人は、「自分が見た方向に進もうとする」傾向がある。これは、歩行中でも自転車やオートバイ、クルマの運転中でも同じ。歩行中などに前方から来る人と目が合って「方向を変えてもお互い、同じ方向に行こうとしてしまう」という経験をしたこともあるだろう。
ドライバーなら経験があると思うが、路肩などに停まっているクルマを見ると、つい目線を向けてしまうこともあるはずで、その際、眠かったり疲れていたりして意識が低下している時などは吸い寄せられるように追突してしまう可能性も否定できない。
まずは、路肩などに止めざるを得ない状況を減らすことが欠かせないが、万一に備えて三角表示板、発煙筒のチェックも定期的にしておきたいものだ。