新卒採用活動が本格スタートへ
2018年3月卒業予定の新卒採用活動が3月1日、本格的にスタートする。新卒採用サービスなどを展開する株式会社ディスコは、全国の主要企業18058社を対象に、2018年卒者の採用方針について調査を実施。採用の傾向や特徴を発表した。
2018年3月卒業予定者の採用見込みは7年連続で「増加」
採用を「増加」すると回答した企業が29.3%であるのに対し、「減少」は7.9%。企業の採用見込みは、リーマン・ショック後の 2011年卒採用を底に増加傾向が続いているが、来春に関しても引き続き堅調といえそうだ。業界別では、いずれも前年より「増加」が「減少」を上回っているが、前年同様「IT」「サービス業」で「増加」と回答した企業の割合が高かった。
採用のスタンスは「人数の確保よりも、学生の質を優先」
「人数の確保より学生の質を優先」すると回答した企業が8割。一方、「人数の確保優先」は1997年の調査開始以降、初めて2割台になった。売り手市場になると「質優先」の数字は下がる傾向にあり、今回で7年連続の低下。人材獲得競争の過熱ぶりがうかがえる。
自社セミナー開始、エントリーシートの受付は「3月上旬」に集中
採用活動については、2017 年卒と同じく「3月採用広報解禁、6月選考解禁」というルールで行われるが、自社セミナー・説明会の開始は、3月上旬から中旬に集中しており、前年3月下旬以降に開始していた企業が、早めるものと見られる。エントリーシート受付開始は、前年より大幅に増加し、約半数の企業が3月上旬と回答。採用広報解禁直後の3月上旬への集中度合いがいっそう高まる見込みだ。
なお、4月までに約7割、6月の選考解禁前には8割以上が面接開始を予定。前年以上に動きが早まる見込みだ。6月より前に内定出しを開始する企業は6割を超え、前年より動きが早まりそうだ。
2018年卒採用のテーマは「母集団の拡大」
採用の一番のテーマは「母集団の拡大」で、前年よりさらに増加。採用数の増加に伴い、母集団形成を命題とする企業がますます増えていることがわかる。一方で、前年4位だった「採用重点層への訴求」が2位。対象となる学生にしっかりとアピールしたいとの考えも強まっているようだ。
インターンシップで学生にアピールしたい企業
今年度(2015年4月~2016年3月)にインターンシップを「実施した」と回答した企業は、約6割で、前年を上回り、大手企業では実施率が8割近くに上っている。インターンシップを実施した満足度については、「質・量ともに満足」が 36.4%で最も多いものの、前年より6ポイント減少。インターンシップ実施企業の増加に伴い、参加学生の動員に苦戦するケースもあったようだ。インターンシップ実施の目的は「採用活動のための母集団形成」が最も多く、多くの企業が早期広報の一環として捉え、参加学生に対して何らかの優遇策を講じるという企業も6割強となっている。
企業が学生にアピールしたいポイントとして多かったのは「若手が活躍できる」「職場の雰囲気が良い」「安定している」と続くが、一方で学生が「企業選びで重視すること」と比較してみたところ、「若手が活躍できる」は、学生側は僅か5.7%で、大きく乖離。逆に、「将来性がある」や「給与・待遇が良い」などを重視している。
採用予定数の増加にともない各企業がさまざまな対策を講じる2018年卒者の採用戦線。学生が求めるものと、企業側が訴求したい点にズレもみられるなか、優秀な学生の確保に動く企業の活動は過熱しそうだ。
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