阪神・淡路大震災から22年 各地で追悼式
阪神・淡路大震災から22年を迎えた17日、兵庫県など各地で追悼イベントが行われた。
阪神・淡路大震災は、1995(平成7)年1月17日午前5時46分に発生した兵庫県南部地震によって生じた被害のこと。兵庫県南部地震は、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3の地震で、神戸と洲本で震度6を観測(一部地域で震度7相当の揺れがあったとされる)。この地震により、神戸市や淡路島などで6434人が犠牲となり、3人が行方不明となった。
阪神・淡路大震災の揺れは、直下型地震で発生しやすいとされる。直下型地震は今後、首都圏などでも発生すると言われており、改めて阪神・淡路大震災を教訓に、これから起こるかもしれない地震に備えておきたい。これに関して、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏がAll Aboutの『阪神淡路大震災に学ぶ、直下型地震への備え』で解説をしている。
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首都直下地震の被害はどのようなものになるか
阪神・淡路大震災で計測された「短周期地震動」は、今後発生するといわれている首都直下地震など「直下型地震」で発生しやすく、東日本大震災で発生した「長周期地震動」とは違って、家屋に決定的なダメージを与えやすい。短周期地震動は、「キラーパルス」と呼ばれるという。
首都直下の内陸部を震源とする巨大地震が発生すると、この「キラーパルス」によって多くの建物が倒壊、家屋内での死者数が増大し、さらに火災の発生を増やすという最悪な被害をもたらすと和田氏は説明している。
「阪神淡路大震災では震源近くの木造家屋は壊滅的なダメージを受け、コンクリートのビルさえも倒壊させ、高速道路の橋脚も破壊してしまうという被害が発生しています」
人口密集地域で大災害が発生すると
阪神淡路大震災は非常に限定的な地域で発生した地震だったが、被害者が多く発生してしまったのは、人が起きる前の5時台であり、寝室内で亡くなった方が圧倒的に多かったせいと言われている。また1995年当時はまだ耐震性の低い家屋が地域に多く、現在はそれほど家屋内でのリスクは高くないという統計もある。
一方、1923年の関東大震災では10万人もの人間が火災を主な原因として亡くなっているという事実もある。関東大震災では「火炎竜巻」のような現象が発生、逃げ場を失った人が一箇所で4万人も無くなったなどという悲劇が発生した。人口が集中している首都圏では「人口の集中」そのものが被災リスクとなり、都市部特有の「二次災害」を発生させる可能性もあると和田氏は指摘する。
首都圏が持つ特有のリスク
和田氏は首都圏が持つリスクを以下のように挙げている。
■交通マヒ
首都圏は天候の変化でも「交通のマヒ」が生じやすく、被害が軽微だった東日本大震災発生時も長時間大渋滞が発生した。これは想定される首都直下地震などの「被害の甚大な大地震」発生時に、緊急車両(消防車や救急車など)が全く機能しなくなることを示唆しており、救助や支援はすぐには始まらず、自分の身は自分で守るしかないということを示す。
■人口の集中・帰宅難民
帰宅難民と呼ばれる通勤者や滞留する人の数は1000万人という試算があり、収容できる避難場所や避難所は用意できていないとされる。また、実質的な被害はほとんど発生していなかった東日本大震災のときですら、水や食料が不足した事実を省みると、もし甚大な被害が発生するような災害が発生した場合には、流通は停滞し続け、市民の不安はさらに増大すると考えられる。
■長期化に備える
東京湾の火力発電所などが被災した場合、最悪50%程度の電力供給になる可能性があると試算しているが、被災状況によっては長期の停電も覚悟しなければならないと和田氏は指摘する。マンション高層階などに住む人は、長期停電などの事態に備え、インフラ回復までの十分な備蓄を行っておきたい。
都市部特有の「複合災害」に備えるためには寝室の安全を確保するだけでは足りず、地域特有の被災リスクを十分に把握した上で、自分と家族に何が必要なのかを考えて準備する必要がある。
首都直下地震に備えるポイント
阪神・淡路大震災や東日本大震災の被害や、首都圏特有のリスクを踏まえたうえで、和田氏は首都直下型地震への備えとして以下のポイントを挙げている。
- 耐震性の高い住居に住むこと
- 家屋内での被害を防ぐ家具の固定
- 消火器の準備で初期消火に協力
- 長期インフラ停止に備える備蓄
- 地域の最大リスクを把握すること
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