尼崎市は8日、市内で8名の麻疹(はしか)患者の発生があったと発表した。朝日新聞の報道などによると、そのうちの6人が市内の保育所で集団感染したとみられている。
集団感染したのは、同じ保育所に通う1~5歳の園児と、30代の母親、30代のアルバイト職員という。これまでに、従業員が増えている関西空港の集団感染との関連はわかっていないという。
麻疹(はしか)とはどのような病気なのか。専門家がAll Aboutで以下のように解説している。
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麻疹(はしか)の症状
医学博士の清益功浩氏は、麻疹の症状の特徴として高熱と赤い細かな発疹をあげ、以下のような症状があると説明している。
- 咳
- 鼻水
- 39度以上の高熱
- 発疹(赤い細かい発疹が全身に出る)
- 色素沈着(回復すると湿疹が赤黒くなって、しばらく残る)
- 眼球結膜充血・目やに
- 下痢や便に血が混じることも
最初は高熱が出て、2~4日目頃から発疹が出る。発疹が出てくる頃、口の中に「コプリック斑」という白い斑点ができるのも特徴的だという。
麻疹の原因、感染経路は
麻疹は麻疹ウイルスによって起こる呼吸器感染。麻疹ウイルスは、「パラミキソウイルス群RNAウイルス」に分類される、非常に小さなウイルスと、清益氏は説明する。非常に小さいため、感染経路は、人から人への飛沫感染、
麻疹の予防法は
清益氏は予防法として、「自分の予防接種歴を確認すること」を挙げる。麻疹ワクチンまたはMRワクチンを2回接種していると、感染する可能性が低くなるという。昔、はしかにかかったかどうかだが、よく似た病気で実際は違ったというケースもあるため、ワクチンをしたかどうかの方が重要だと清益氏は述べる。
余裕があれば、抗体検査をしておくとよいという。抗体検査は血液検査で結果が出るまで数日かかるという。
もし、抗体が不明でワクチン歴も不明で麻疹(はしか)の人に接触したかもしれないようなときには、接触から72時間以内のワクチン接種、あるいは4日以上6日以内のガンマグロブリンという免疫の血液製剤を筋肉注射する方法があるという。ガンマグロブリンは血液製剤なので、その使用については、メリットとデメリットを考えた上での使用が望ましいと清益氏は説明する。
麻疹に限らず、感染力の強い感染症に対しては、「今回のような流行が起きてから慌てるのではなく、常日頃からワクチンをしておくことが重要」と清益氏は述べる。
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