とてもかわいらしく奥深い、ユニークなコミュニケーションロボット「Rux Robot」
ペットのように自由に動き回ったり、生成AIを利用して会話ができる小型コミュニケーションロボット「Rux Robot」を実際に試してみました。
All About ニュース編集部
2025.01.17
生成AIと連携し、さまざまなコミュニケーションが可能なAIロボット「Rux Robot」の販売が、2024年12月24日にクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で開始されました。実際にどのようなことができるのか、試してみることにしました。
Rux Robotは手のひらに載るくらいにコンパクトなサイズの小型ロボットです。スマートフォンにも採用されているAndroid OSを搭載しており、前面のディスプレイには顔の表情のほかに写真や動画などさまざまな映像を表示できるようになっています。
コミュニケーションロボットの「Rux Robot」
初期設定やモード変更などの操作にはスマホアプリの「LeTianPai」(Android/iOS対応)を利用して行います。
「LeTianPai」アプリの画面。残念ながら表示は英語で、日本語版は用意されていないようです
Rux Robotはいくつかの動作モードを備えていますが、その中でもメインとなるのが「ペットモード」でしょう。画面に表示される2つの目がさまざまな表情を浮かべながら、まるで生きているかのように自由に動き回ります。本体に内蔵するセンサーによって段差を検知することで、デスク上に置いても落下することはありません。
ペットモードの様子
Rux Robotを急に持ち上げると耳を赤くして怒ったりするのですが、なでると喜んだり、顔(前面ディスプレイ)にさまざまな表情を見せながらコミュニケーションを取ってくれるのが楽しいです。
急に持ち上げると不機嫌な様子になりました
Rux Robotが起動している状態で「ハイ、ラックス」と声をかけると、画面に「!」マークが出て質問を受け付ける状態になります。そこで何らかの質問をすると生成AIの「Chat GPT」を使ってRux Robotが答えてくれます。
「ハイ、ラックス」と声をかけると「!」マークが浮かび上がります
例えば「今どんな気持ち?」と聞いてみると、「私はAIなので感情を持つことはありません。ただ、お手伝いできることがあれば教えてください」という答えが返ってきました。ちょっと無機質な感じはあるものの、まじめに答えてくれる印象を受けました。自然な会話を続けられる点では、スマートスピーカーに搭載されている音声アシスタントとは一線を画しているように感じます。
そのほかにも「肉じゃがの作り方を教えて」と聞くと、かなり詳細に食材の分量から手順まで教えてくれました。残念ながら時間制限があるのか、途中で回答が終了してしまったものの、質問次第ではいろいろと会話が弾みそうです。
「歌って」というと歌を歌う仕草をしてくれます
「踊って」というと踊り始めます
ちなみに、LeTianPaiアプリから「AI voice engine」を開くと、Chat GPTの有料バージョンを利用したり、ほかのAIエンジンを設定したりできます。API(アプリケーションプログラミングインターフェース)のキーを設定したりする必要があるので中上級者向けですが、こうした自由度の高さはガジェット好きにはたまらないところではないでしょうか。
ペットや話し相手としてだけでなく、実用的な機能も搭載
コミュニケーションだけでなく、見守り機能やビデオ通話機能といった実用的な機能も備えています。LeTianPaiアプリから「Remote Monitoring」を選ぶと、遠隔地から前面のカメラを使った部屋の見守りができます。アプリ画面の下部には操作インターフェースが表示されており、Rux Robotを前後左右に動かしたり、左右に旋回させたりして動かすことができます。テーブルの上などに置くと動かせる範囲に限界はあるものの、一般的な見守りカメラに比べてかなり自由度は高いです。
LeTianPaiアプリから「Video call」を選ぶと、アプリ側のスマホカメラで撮影した映像をRux Robotの画面に表示しながらビデオ通話もできます。離れて暮らす親と話したり、出張先から自宅にいる子どもとビデオ通話をするといった楽しみ方ができます。
LeTianPaiアプリとビデオ通話をしているところ
「Video Player」アプリを使って動画を再生することも可能です。動画はLeTianPaiアプリからアップロードできるので、動くフォトフレーム的な使い方もできます。
動画再生もできます
スマホアプリは、筆者も使いこなせていないほど機能が豊富で、コミュニケーションも存分にとれます。子どもの話し相手としては少々大人っぽい話し方と内容かもしれませんが、それもまたAIらしいところかもしれません。見た目はとてもかわいらしく、そして中身はかなり奥深い、そんなユニークなコミュニケーションロボットだと感じました。