All About編集部は「中学校の国語の教科書に載っていた作品」に関する独自調査を実施しました。同調査は、全国の10〜70代の男女500人を対象に、インターネット上で行ったものです(調査期間:2023年2月27~3月11日)。
今回は、大人になった今こそおすすめしたい「現代の子どもに読んでもらいたい教科書の作品」ランキングを紹介します。気になる結果を見ていきましょう。
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第3位:宮沢賢治『注文の多い料理店』(78票)
第3位は『注文の多い料理店』でした。さまざまな表現や仕掛け、結末へのテンポ感など、物語を深く味わう力が身に付く作品として、世代を超え愛され続けています。回答者からは「注文の多い料理店は、途中で物語の結末に気づく楽しさがあるから(32歳女性)」「今の子供が読んでも面白いと思うし、次に進むにつれてドキドキする展開は知って欲しいと思う(43歳女性)」など、結末を予想する楽しさを知ってもらいたいというコメントが集まりました。
また「やはり宮沢賢治さんの小説にある独特なリズム、紡がれる言葉の美しさは後世まで伝わってもらいたいな、と思います(54歳男性)」「きれいな言葉に触れてほしいと思うので。その反面、残酷さを感じる作品にも触れてほしいから(48歳女性)」など、この作品をきっかけに宮沢賢治作品の美しさに触れてもらいたいと感じる人が多いようです。
第2位:芥川龍之介『羅生門』(91票)
第2位は『羅生門』。立場の違う登場人物の心の機微が描かれており、長文読解などで問われる「読解力」を身に付けるのに適した教材だというコメントが多数見受けられました。回答者からは「文体の読みやすさや情景の分かりやすさが素晴らしいことから、本を読むきっかけにしてほしいため(33歳男性)」など、その後の読書へのきっかけにしてもらいたいという声が寄せられています。
その他に「人間の本質や人間関係、真実や嘘などのテーマを、身近な例を使って説明し、子供たちが自分自身の経験に置き換えられるようにすることができ、徳的な教訓や社会の仕組みを学ぶこともできるためです(23歳男性)」「色々な見方ができる物語だと思う。いろんな人の意見を交えながら色々なことを考えて欲しい(27歳女性)」など、作品を通して社会に潜む闇や人生の分岐点について考えてもらいたいというコメントもありました。
第1位:太宰治『走れメロス』(112票)
栄えある第1位は『走れメロス』でした。友情と希望、そして人間の心の揺れ動きといった、大切なことを多く学ばせてくれる短編小説です。回答者からは「正義と友情を描いた、現代っ子からすればちょっと古くさい話かもしれないけど、だからこそ読んでもらいたい、原点のような物語だと思うから(48歳女性)」「基本的に長く読まれている名作はきっかけのためにも学校で読んだ方がいいと思う。子どもの時に触れて慣れ親しんでおくことは大事であり、現在とは違う言葉づかいなので知識や解説が必要、大人になるにつれて読む時間が取りづらくなるため。選んだ作品は自分が印象的だったり、授業を受けてみたかった作品(30歳女性)」など、若者に読んでもらいたいというコメントが多数集まりました。
さらに「昔から愛されている作品で、私達が子供の時に読んでいたものが多く現代のこどもとも内容について語り合うことができるから(20歳女性)」「電子機器が発達し、携帯を持つことが当たり前になった現在の中学生にそうでなかった時代の状況が伝わる作品だと思ったから(22歳女性)」など、スマートフォン世代の子どもたちにこそおすすめしたいという意見がありました。
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※回答者のコメントは原文ママです
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