現役のタクシードライバーも集結
10月23日、「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」の出陣式が行われた。トヨタから豊田章男社長や担当役員が出席し、来賓として石井啓一国土交通省大臣、全国ハイヤー・タクシー連合会会長兼東京ハイヤー・タクシー協会会長の川鍋一朗氏を迎えたほか、現役のタクシードライバーも集結した。
いまも大半のタクシーが使用しているクラウンコンフォート以来、22年のぶりの新型タクシー「JPN TAXI」は、トヨタの最新技術が満載されている。
LPG燃料のエンジン+モーターのハイブリッドシステム
LPG燃料を使った1.5Lハイブリッドシステムをはじめ、リヤの電動開閉式スライドドア、床を低く、背を高くしたことによる広々した室内などドライバーもタクシー利用者も従来のセダンにはない乗降性や快適性が盛り込まれている。
現役のタクシードライバーが集結したもう1つの理由は、報道陣を同乗試乗させるためで、私も助手席と後席に座ってお台場を回ることができた。
足元が低く、段差のない大きな開口部
床が低く、大開口のスライドドアにより乗り降りがしやすい。これなら子どもからお年寄り、車いす利用者まで従来のクラウンコンフォートなどセダンよりも容易に乗降できるだけでなく、小型スーツケースやベビーカーなどの後席前への積載も容易にできるはず。
後席の足元は身長171cmの筆者で足が組めるほど。この部分に先述した大きめの荷物も短時間なら十分に積載できそう。なお、ラゲッジにはスーツケースを平積みで2つ、ゴルフバッグは4セット積載できるそうだ。
タクシーを使ったプローブ情報をスマホ・アプリとして提供
さらに、東京都で走行している500台のタクシーに搭載された通信型ドライブレコーダー「TransLog」から収集される走行画像や車両データを解析し、得られたデータによるレーン別渋滞情報をスマホ向けナビ・アプリ「TC スマホナビ」に配信するサービスを来春から開始すると発表している。
これは、走行画像データをAIが解析することで、複数車線ある場合に車線ごとの混雑情報を提供できるというもの。
車線ごとの渋滞情報を表示するのは、パイオニアが「サイバーナビ」で数年前から実用化してユーザーにも提供しているが、トヨタはタクシーの協力を得ながら、今後提供する地域や利用可能な端末の拡大も検討するとしている。
出陣式で豊田章男社長は、日本のタクシーのある風景を変えるだけでなく、東京オリンピック・パラリンピックに向けて世界から来日する外国のお客さんに、「日本のタクシーは最高だった」といってもらえるようにと「JPN TAXI」に対する期待の高さを示していた。