マツダが「3列シートSUV」を日本でも発売へ
ゴールデンウィークに高速道路を走り、サービスエリアで休憩すると、日本にはミニバンが多いなと実感するはず。そんな中、マツダはミニバンの新規開発から手を引き、SUVに資源を集中するという。その象徴となるのが、2017年中にも日本市場に投入すると発表した3列シートSUVのマツダCX-8だ。
なぜミニバンから撤退してSUVに注力するのか
以前の勢いほどではなくなったとはいえ、先述したように日本はミニバン大国である。日本の自動車メーカーであるマツダがミニバンの新規開発から手を引く(一部で報道されているものだが、既定路線だろう)という決断は簡単だったわけではないだろう。
マツダに限らず、量産の自動車メーカーが今後生き残っていくには、ドメスティックではなくグローバルな視点が不可欠。ミニバンは海外でも数多く走っているが、時流はSUVに移っている。
しかも、日本で売れているミニバンは、5ナンバーサイズを基本とした背の高いミニバン(たとえば、ヴォクシー/ノアやセレナ、ステップワゴンなど)が中心で、さらにシエンタやフリードといったよりコンパクトなミニバンとなっている。こうしたミニバンは、国内向けという色合いが強く、商売としては以前ほどの旨みはなくなっている。
さらに、マツダが「走りやデザインの良さ」を実現すべく、新世代商品群で採用している「スカイアクティブ」技術、「魂動(こどう)」デザインという要素はミニバンには適用しにくいという理由もあるのかもしれない。それならば、世界中に広がっているSUVに注力(もちろん、セダンやワゴン、ハッチバックも重要)した方が賢明という判断もあるだろう。
日本メーカーのミニバンは減っていく!?
また、マツダの規模で数多くの車種を抱えるのも得策ではない。マツダの顔であるロードスターは別格として、多人数乗車はミニバンではなくSUVとする判断は仕方ないのだろう。
日本のユーザーからすると、道路や駐車場事情、家族連れのニーズにマッチするこうしたミニバンが少なくなるのは残念だ。しかし、少子高齢化などによりクルマが以前より売れなくなっている今、マツダに限らず、こうした傾向はほかのメーカーにも波及するかもしれない。