All About ニュース編集部は、2023年9月11日~10月9日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、佐賀県小城市在住・30歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:30歳女性在住:佐賀県小城市
同居人数:両親、自分
世帯年収:自分130万円
実家の間取り:一軒家3LDK
職業:会社員
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:2万円交際費:5000円
毎月のお小遣い:2万円
毎月の貯金額: 5万円
貯金総額:300万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、34歳以下女性の1カ月の平均消費支出は16万3767円です。そのうち、住居費の平均は3万8400円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた12万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定について聞くと、「どちらともいえない」とし、「精神の病気を抱えているので、症状が重くなった時誰かがいてくれないと食事すら作れない状況になってしまうため家を出られません。また障害者雇用なので収入が低く、自立したくともお金がないのも原因のひとつです」と回答。
恋愛や結婚願望については「ない」とし、「一度結婚し、3年でスピード離婚したので、結婚はもうこりごりです」と話しました。
「親元から離れて自活したいという願望はあります」
現在、実家暮らしを選択している理由は「前述のとおり、病気があるので」と回答。「傍に誰かがいることで話を聞いてもらい、踏みとどまることができています。しかしいい加減いい年齢なのだから、親元から離れて自活したいという願望はあります」と、続けています。
精神的な病気のため、実家暮しをしている回答者。結婚ももうしたくないということで、親元を離れるにはかなりの努力が必要になりそうですが、自活への意欲は強く感じとれます。
年金暮らしの両親にお金を入れたいが、給料が少ないのでできない
一方で、実家暮らしでは両親との関係に苦悩もあるようです。「子離れができない母なので、少しでも夜遅く帰宅すると未だに叱られます。また一度家を出ているため自分なりの生活パターンが作られているので、それと違ったことをされるとイライラすることもあります」と話しました。
また、「私が実家に帰ったことで両親は老後の面倒は見てもらえると安心している節があるので、『家を出る』と言ったとき反対されるのではと思っています」と将来的な不安も語ってます。
そのほか、実家暮らしをする上でのお金に関する悩みにもあるようです。
「両親とも年金暮らしなのでもう少し楽をさせてあげたいのですが、頂けるお給料が少ないので、それができないのが心苦しいです。また将来、両親がいなくなった後この家はどうなるのかを考えると不安になります。兄がいるので、相続に関するケンカにならないかと心配しています」と告白。
実家生活や両親への不満を募らせているものの、両親に対する感謝の念もあるようで、経済的な支援ができないことに対して心苦しい感情を抱いているようです。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。