『初恋の悪魔』馬淵(仲野太賀)の部屋を二級建築士が解剖。ワンルームでの家具レイアウトのコツ満載

家・インテリア考察第2弾は日本テレビ系で放送中のドラマ『初恋の悪魔』を取り上げます。主人公の自宅はコンパクトなワンルームタイプ。広くはありませんがコンパクトな家具レイアウトは1人暮らしのインテリアづくりの参考になりそうです。(画像出典:『初恋の悪魔』公式サイト)

(画像出典:『初恋の悪魔』公式サイト

テレビドラマに出てくるすてきな家やインテリアの考察シリーズ第2弾。林遣都さんと仲野太賀さんのW主演で話題のドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)を取り上げます。

主人公の1人である馬淵悠日(仲野太賀)が暮らす家について、二級建築士・インテリアコーディネーター資格を持つ筆者がプロ目線で考察。1人暮らしのコンパクトな部屋でも使いやすい家具レイアウトが参考になりそうですよ。


>第1弾はこちら:二級建築士が考察『魔法のリノベ』第3話。テレワークスペース、収納棚、カーテンのすごい技と効果

 

『初恋の悪魔』最新話・第5話の簡単なあらすじ


停職中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)が隣人の森園真澄(安田顕)により自宅の地下室に閉じ込められてしまった頃、馬淵(仲野太賀)は殉職した兄・朝陽が残したスマホから彼の死の謎を解明したいと心に誓う。もう1人の人格を持つ恋人の摘木星砂(松岡茉優)は自分が朝陽の死に関わる証拠が出るのではないかと不安にかられるものの、馬淵は「あなたを信じる」と言い切ります。

連絡が取れない鹿浜を心配して彼の自宅に様子を見に来た馬淵と小鳥琉夏(柄本佑)。しかし鹿浜の姿は見えずやむなく帰ることに。そんな2人に声をかけ鹿浜が刑事と知った森園は、鹿浜に抱いているある疑惑を強めるのでしたー。
 

『初恋の悪魔』馬淵の家解剖(1)低めの生活視線

馬淵が暮らす家はワンルームと呼ばれる間取り。1つの部屋とキッチンスペースが壁やドアで仕切られずにつながっているタイプです。
 
壁がないから広々として見える(画像:『初恋の悪魔』第5話予告より)

1人暮らし用のワンルームタイプの部屋は6~8畳の広さが大半です。付属するキッチンはミニキッチンと言われる幅120~150cmタイプ。馬淵の家も冷蔵庫がキッチンではなく部屋に置かれているのでおそらくこのパターンでしょう。

食事シーンや部屋でくつろぐシーンでは、馬淵をはじめ部屋を訪れる恋人の摘木や署長の雪松鳴人(伊藤英明)は椅子に座らず、和室で畳に座るのと同じいわゆる「床(ゆか)座」スタイル。

床座の特徴は、椅子に座って過ごす椅子座スタイルよりも生活上の視線が低いことです。椅子の座面は床から40cm前後なので、正座だと約30cm、あぐらだと約40cmは椅子座より視点が低くなります。それだけ天井面と距離ができることになり、同じ広さの部屋なのに天井が高く見える効果があるのです。

床座だとソファやダイニングテーブルといった大きなサイズの家具も不要ですから、準備する家具が少なくて済むのもメリットのひとつと言えます。コンパクトな広さの部屋にはぴったりなスタイルですね。
 

『初恋の悪魔』馬淵の家解剖(2)効率的に使える家具レイアウト

馬淵の家は、家具のレイアウトが効率的に配置されているという特徴もあります。
 
クローゼットの前にベッドをセット(画像:『初恋の悪魔』第5話予告より)

クローゼットの扉の前にベッドが置かれています。クローゼットの扉は横にスライドして開閉する引き違い戸。ベッドで半分ほどふさいでも物の出し入れに困らない扉だからこそできるレイアウトといえます。
 
座卓のすぐ後ろにコンパクトなテレビ台(画像:『初恋の悪魔』第5話予告より)

ベッドのそばに座卓が置かれ、その後ろの壁際には小型テレビや水槽を置いたラックがありました。ベッド、座卓、テレビ(とラック)という生活でよく使う家具が半径1.5~2m以内にまとめられています。ゆったりした雰囲気は出にくいですが、裏を返せば何をするにもほとんど移動しなくていいレイアウト。1人暮らしの場合、このようなレイアウトは意外と便利なんですよね。

ワンルームではそのコンパクトさを生かして効率性を意識してみましょう。よく使う家具を数点だけ選んで短い動線で配置するのがおすすめですよ。


実はこの効率的な家具レイアウトは、前述した床座スタイルと掛け合わせることで相乗効果が得られます。

この部屋の広さが6畳とすると、シングルベッドですでに1畳ほどを占めるので残りのスペースは5畳前後。小さめのソファを置こうと思えば置けなくはない広さです。

しかしソファは椅子座スタイルなので、前述したように視点が高くなり、天井面が近く感じるのに加え、他の家具との距離も近いと狭さが強調。住み心地が悪くなってしまうことも。6~8畳のワンルームで暮らすなら、視点を低くできる床座スタイルがぴったりです。

『初恋の悪魔』でも馬淵と摘木が寄り添って過ごす姿は何だかほっこりするシーンの1つ。狭さを逆手に取って、大切な人との距離も縮めるインテリア配置を楽しむこともできそうです。


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