ネオヤングタイマー世代の格安MT車10選

 昨今、MT車が復活の兆しを見せている。2015年に登場した4代目マツダ・ロードスター(ND型)や、昨年はGR86&BRZ、2019年にはGRスープラもデビューしており、話題の新型フェアレディZにももちろんMT車が用意されている。しかし新車の納期が不透明な今、オーダーしたけど数カ月、いや半年以上待たされるのであれば他の選択肢も……という人も多いはず。そこで100万円以下で買えるMT中古車の魅力を探ってみたい。

 

モータースポーツの系譜をもつホットハッチ
「2代目&3代目スイフトスポーツ」

 筆頭は2003年にデビューした2代目スイフトスポーツだ。ベースモデルのスイフトは「オレ・タチ、カルタス」の名で知られるカルタス(海外名がスイフト)の後継モデルであり、初代スイフトスポーツはモータースポーツなどでも活躍してきた。だが、さすがに年式的にも古くトラブルを回避しながら所有するのはかなり難しい。そこで注目したいのが2代目スイフトスポーツというわけだ。

 1.6L直4エンジン搭載の2代目は、最高出力125ps(92kW)/6800rpm、最大トルク15.1kg-m(148N・m)/4800rpmのエンジンスペックを誇り、1070kgの車両重量を考えると必要にして十分以上のスペックだったと言える。もちろんパワーユニットだけじゃなく、ベースモデルに対してシャーシも強化され、モンロー製の専用ダンパーなどを採用。コンパクトカーでありながら5穴仕様の16インチ専用ホイールや前後ディスクブレーキも備えていた。

 現在の中古車価格はかなりのバーゲンプライスで30万円代から探すことができる。ちなみにチャンピオンイエローの人気が高く、ホワイトなどのボディカラーに比べると10万円程度割高な値付けとなっている。
 
2代目スイフトスポーツの走り

 価格重視なら2代目となるが、3代目モデルもじつは狙い目で、初期型モデルはすでにデビューから12年近く経過するモデルとなってしまうが、2010年以降の年式であることに加えて、車両本体価格は60〜100万円の個体から選び放題なのも魅力。最高出力136ps/6900rpm、最大トルク16.3kg-m/ 4400rpmのスペックは、サーキットはもちろん街乗りでの扱いやすさも増している。

 

日産ワークスが生んだ高性能コンパクト
「日産マーチ12SR/マーチNISMO S」

 スイフトスポーツのライバルと言えば、コンパクトハッチの日産マーチ12SRが挙げられる。この3代目マーチの開発にはオーテックジャパンも加わり、K12型に設定された12SRには、最高出力108ps/6900rpm、最大トルク13.7kg-m/3600rpmを誇る専用チューンドエンジンを搭載。高回転まで淀みなく回るエンジンは現在では貴重な存在である。

 ほかにも専用スポーツサスペンションやポテンザ製15インチタイヤ、専用エキゾーストシステムなどを採用。専用エアロスパッツ(フロントスポイラー)も装着された。モデルライフ中に細かな改良が施されたのもポイントで、2010年の販売終了まで高い人気を誇った。中古車相場は過走行車であれば20万円程度から見つかるが、低走行車の場合は60〜100万円程度のプライスタグが付けられている。
 
マーチ12SRの走り

 また現行型のK13型ではニスモ製コンプリートカーのマーチNISMO Sも設定されていた。1.6L HR16DE型エンジンを搭載し、最高出力140ps/最大トルク16.6kg-mを発揮するその走りは、見た目の愛らしさとはかけ離れたスポーティさが魅力。中古車の在庫数は決して多くはないが、ボディカラーやコンディションを見極めながら、理想の個体を探し出すことができるだろう。ただし、極上モノは200万円に迫る個体もあり、100万円以下で狙うとターゲットは10万kmオーバーの過走行車となってしまう。

 それでも1.6L NAながら低回転域からトルクフルで扱いやすい専用エンジンや5速MT、専用ECUチューンや専用エキゾースト、専用ブレーキのほか、ボディ補強、エアロパーツなどの専用エクステリアも奢られていた。その内容を鑑みると100万円で手に入り、しっかりメンテナンスしながら乗り続ければ幸せなカーライフになることだろう。

 

人馬一体感が味わえる狙い目のマツダ
「マツダ3代目アクセラ&4代目デミオ」

 忘れてはいけないのがMT好きのマツダで(他銘に比べてMT車の設定が多い)、スペシャルなモデルではなくてもアクセラやデミオにしっかりMT車が設定されている。デミオは現行型の4代目モデルでも100万円以下で販売されている個体があり、人気の1.5Lディーセルターボの6速MTモデルも見つかる。年式が新しめのモデルでありながら100万円で購入できるのは魅力。裏技的ではあるが、走行距離こそ伸びているが元教習車も中古車市場に出回っており(数は限りなく少ない)、逆にメンテナンスはしっかり施されていたので、実際の走行距離以上に安心して所有できそうだ。
 
4代目デミオの走り

 それは3代目アクセラも同様で、現行型の4代目がすでに登場しているのでお買い得感はデミオ以上に高まっている。ボディタイプは4ドアセダンのアクセラと5ドアハッチバックのアクセラスポーツがあり、より低価格で流通されているのはセダンのアクセラとなる。しかも、AT車に対してMT車の需要は低いため、2015年以降などの比較的高年式の個体でも、100万円の予算があれば選び放題だ。

 スイフトスポーツやマーチNISMO Sのようなスポーティな走りをウリにしたモデルではないが、マツダ自体が“人馬一体”を謳うハンドリングにこだわっており、標準仕様のモデルでも十分に満足度の高い走りが堪能できるはずだ。

 

愛らしいスタイルとご機嫌な走りが堪能できる
「初代&2代目BMW MINI」

 最後に輸入車も紹介しておこう。BMWの傘下となって登場した初代BMW MINIは、1.4&1.6Lの直4エンジンを搭載しており、最強仕様のクーパーSにはスーパーチャージャーが装着され170psの最高出力を誇った。全長3625mm、ホイールベース2465mmのディメンションから織りなす走りはゴーカートフィーリングと称されたほど。

 この初代は現行モデルとは違って、すべてのモデルにMT車が設定されていたため(5速MT/6速MT)、意外にMT車の流通量は多い。ただし、初代モデルは2002年〜2006年に販売されたモデルであり故障のリスクは避けられない。それでも、初代BMW MINIのご機嫌な走りは、メンテナンス費用を追加して購入してみるのもありだ。ちなみに2007年にデビューした2代目モデルも100万円以下で選び放題なので、スタイリングの違いを含めて選ぶと良いだろう。
 
初代BMW MINIクーパーSの走り

 

【番外編】あえての軽バンを狙うのも面白い!!

 そして番外編はもう新車では買えない、ホンダのアクティとスバルのサンバーだ。まずアクティは、3代目バンが2018年に、4代目トラックが2021年にそれぞれ販売終了となった。これによりホンダのミッドシップ・リヤドライブの軽は残念ながら消滅してしまった。サンバーは自社生産の3代目トラックが2009年に、バンが2018年に販売終了(以降はダイハツのOEM車で販売)なので、リヤエンジン・リヤドライブのスバルの軽は新車ではもう購入できない。
 
スバル・サンバーWRブルーリミテッド

 この2モデルは「軽自動車最強の64psの出力が出ていない……」という声が上がると思うが、一度乗ってみてほしい。しかも、可能であれば空荷ではなくてそれなりに荷物を積んだ状態で走らせれば、アクセルペダルをたくさん踏む楽しさ、コントロールする面白さ、適切なギヤを選ぶ必要性、MTを駆使する魅力に溢れている。新車の販売こそ終了しているが、このアクティとサンバーはクルマを操る楽しさに気が付いてもらえるに違いない。それほど運転が楽しいのだ。

 残念なのは新車で買えないゆえに価格は高く、状態の良いものは新車とほとんど変わらないということ。また、働くクルマゆえにどこまできちんとメンテナンスされているのか分かり難いことだ。それでもアクティとサンバー、働くクルマだけに頑丈であり修理代も維持費も安いというメリットもあるので参考までに……。もちろん予算100万円以下で狙うことはできる!


TEXT:佐藤幹郎
提供:Auto Messe Web

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