アフターメンテナンス部門の収益アップに注力している

新車ディーラーにおいて、「新車を売るだけでは儲からない」と言われて久しい。“バブル経済”と呼ばれたころには、車両価格におけるディーラー利益もいまより厚みがあり、それが値引き原資となり、大幅値引きがガンガン飛び出していたが、それでも新車が売れに売れていたので、新車販売だけでも十分利益をたたき出していた。しかし国内の新車販売台数は1990年の約777万台を頂点に、2021年には1990年比で約57%まで落ち込み、その間ディーラー利益も減少してきているのだが、バブルのころほど派手ではないものの、依然として“大幅値引き販売”が恒常化しているため「新車だけ売っていては儲からない」ということになっているようである。



そこでディーラーとしては、タイヤやバッテリーなどの物販、そして点検・整備や修理などのアフターメンテナンス部門の収益アップに力を注いでいる。現状では新車購入時に“メンテナンスパック(一定期間内の点検・整備や油脂類の交換にかかる費用をまとめて前払いすることでユーザーが得するというもの)”への加入をセールスマンが勧めているが、これも市中のガソリンスタンドやカー用品店にお客が流れないようにするための“囲い込み”策として導入されているのである。

資本関係の有無にかかわらず、大手自動車メーカーの看板を掲げる、各地域のメーカー系新車ディーラーは、地元企業へ就活する学生には「大手メーカーの看板を掲げてビジネスしている」として人気があるともいわれるが、往時に比べると“斜陽産業”のイメージが色濃くなってきている。

 

いま新車ディーラー系の中古車がねらい目!

その新車ディーラーでは、新車を売っても納期遅延が著しくなっているので、中古車販売に力を入れ、新たな収益の柱のひとつにしようとしているようだ。「2022年1月に新型が正式発売されたヴォクシーは、1世代前の2019年式あたりの中古車は、車両にもよりますが、250万円前後のプライスボードをつけて販売しています。下取り査定額では200万円を割り込んでいるとのことなので、新車より儲かる商売になっていると聞きます」とは事情通。

新車の納期遅延が収束しないなか、中古車需要はますます増えている。しかも、超低年式車と高年式車はとくにタマ(在庫)不足が顕著になっている。

そうはいいながらも、「3代目プリウスは2012年から2016年までラインアップされていました。ある大手中古車検索サイトで調べると、10年落ちの2012年式で量販グレードのSの場合80万円前後で販売されているケースが目立ちます。ちなみに同年式のカローラアクシオでは、50万円前後の車両がメインとなっています。超低年式や高年式はとくにタマ不足が深刻なほど売れていますが、10年落ちのプリウスやカローラ アクシオでもこのような価格がついている現状では、明らかに新車の納期遅延の影響で中古車相場が上昇傾向にあり、中古車販売は“うま味”のある商売といえるでしょう」(事情通)。このような状況のため、いまでは新車ディーラーにおける、中古車販売担当部署は“花形部署”にもなっていると聞いている。



とにかく良質な中古車は右から左へすぐ売れてしまうので、店頭に並べないだけでなく、中古車検索サイトなどにもおいそれとは掲載できないとのこと。つまり、検索サイトに掲載されるころには売れてしまい、いらぬトラブルを招きかねないとの判断があるようだ。

新車ディーラーが中古車販売を強化すれば、自社の下取り車のなかで良質なタマほど、自社で売りたくなるはずなので、新車ディーラーメインに中古車を探すと良質なタマに出会えるケースが今後は目立ってくるかもしれない。その意味では新車ディーラー系の中古車展示場は結構ねらい目ともいえるだろう。

Text:小林敦志

提供:WEB CARTOP 

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