走行中に地震に気づいたらすべきことは?
クルマで走行していると、地震に気が付きにくい。東日本大震災の折も、関東でクルマに乗っていて気付かなかった人もいる。サスペンションが衝撃を吸収し緩和する効果があるので、地震による路面の揺れを乗員に伝えにくいからだろう。震度5以上の大地震では、スマートフォンへ緊急地震速報が伝えられ、警報音が鳴ることがある。しかし、車内の手近なところにスマートフォンを置いておらず、鞄のなかなどにいれていると気づかない可能性がある。
もうひとつの情報源は、路上の看板や信号機、あるいは電線が激しく揺れたら地震の可能性がある。ただしそれも、強風によって生じているかもしれず、断定的にはいえない。また、前方を走るクルマばかりを見る癖がついていると、周囲の景色に目を配らなくなるので、やはり看板や信号機などの揺れには気づきにくいかもしれない。
それでも、地震に気付いた人がクルマを路肩に止めるなどしはじめたら、地震を疑ってまず速度を落とすべきだろう。
クルマを離れる際には車内にキーを残して施錠せずに
そのうえで、地震だとわかったら路肩へクルマを止め、地震情報を手に入れる。あまりの緊急事態で、路肩にクルマを止められない場合はやむを得ず走行中の車線で停車することになるかもしれない。その際は早めにハザードランプで後続車へ停止する意思を伝え、速度を徐々に落としながら停止する。急ブレーキは、追突の恐れがある。停止する際には、前のクルマとの車間距離をいつも以上に空けるよう意識し、もし後続車が気付くのが遅れている様子をルームミラーなどで確認出来たら、その車間距離のゆとりを使って少し前進させるとよい。
この停車する際の警戒心は、通常の渋滞などで停車する際にも応用できる。やや車間距離を開け気味にし、ルームミラーなどで後続車の様子を伺っていると、追突されずに済むかもしれない。
地震の被害が大きく、クルマから退避する際は、窓ガラスを締めたうえで、キーは車内に残して、施錠せず、クルマを離れる。キーを持って行ってしまうと、あとで誰かが移動させたり、救急活動のため移動させなければならなかったりするときに動かせず、結局クルマを無理やり移動させるため、損害が及ぶかもしれない。救助の手も遅れてしまう。貴重品を携帯し、キーを車内に残して避難するのが原則だ。
とはいえ、いざというときにこの段取りをすべて思い出せるかどうかわからない。忘れてならないのは、安全に停止すること、キーを車内に置いてクルマを離れるという2点だ。施錠せずにクルマを離れるのは気掛かりだが、緊急事態ではやむを得ない。
Text:御堀直嗣
提供:WEB CARTOP
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