ドアロックピンは何故いつの間にかほぼ消滅したのか

 かつてクルマのドアのカギといえば、窓際にニョキッと生えているドアロックピン(ドアロックノブ)で開け閉めするのがスタンダードだったが、いつの間にかドアロックピンは少数派となり、今では国産車のほとんどが、ドアのインナーハンドルと一体になったカギになっている。



 

 

 どうしてドアロックピンは廃れてしまったのだろう?

 ドアロックピンは、クルマを降りたときに外から施錠したか・していないかを確認しやすいのが大きな特徴。センタードアロック(集中ドアロック)も普及していない頃は、施錠し忘れているドアがないか一目でチェックできるので、ドアロックピンはなかなか重宝した。



 

 

 しかし、キーレスエントリーが標準で、センタードアロックが当たり前となった昨今では、ドアロックピンが外から見える必要はなくなってしまった……。



 

 

 また一昔前は、走行中もドアにカギをかけたほうが安全と思われていた節もあるが、クラッシュしたときにドアが開いてしまうかどうかは、ロックの有無とは無関係で、むしろ事故を起こした際、ドアにカギがかかっていると、外部からの救出に手間取って、かえってリスクが増えるとされ、車速連動型オートドアロックも一時は採用車種がずいぶん減った(現行車では、衝撃を感知すると自動でロックを解除するタイプの車速連動型オートドアロックになっている)。



 

 

 海外など治安の悪いエリアでは、信号などで止まっているときに、不審者が外からドアを開けて……といったことがあり得るので、乗車中はドアのカギをかけておいたほうがいいという考えもあるが、いずれにせよセンタードアロックがあれば、ドアロックピンでなければならないという必然性はないわけだ。



 

 

 さらにドアロックピンは邪魔だという意見や、見た目もスッキリせずに美しくないという意見も以前から聞かれ、それで自然と廃れていったと思われる。

 ちなみに国産車の中では、ホンダがわりと最近までドアロックピンを採用していたが、現行車はインナーハンドル一体式に移行している。
最後までドアロックピンにこだわっていた(?)ホンダが、なぜインナーハンドル一体式にスイッチしたのか。



 

 

 Honda お客様相談センターに訊ねてみたところ、「明確な理由はわかりませんが、おそらくインナーハンドルのそばのほうが操作性に優れているからではないでしょうか」と答えてくれた。

 BMWなどは、まだドアロックピンを採用しているし、かつてはドアロックピンを上級モデルのアルミ削り出しのモノに交換するドレスアップも楽しめたが、上記なような理由からやがて姿を消してしまうことになるだろう。


 

Text:藤田竜太

提供:WEB CARTOP

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