犬をすぐに病院に連れていくべき超危険な症状4選

犬は人間の言葉を話せないうえに我慢強い性質があるため、具合が悪くなってもすぐには分からない場合があります。様子を見てよいのかすぐに病院へ連れて行ったらよいのか判断に迷うこともありますよね。ここではすぐに病院へいくべき犬の状態をいくつか挙げてみましょう。

犬の元気がない原因

いつも元気な犬たちの食欲がなかったりあまり元気がなく寝てばかりいたりすると、飼い主としては心配になるものです。

季節の変わり目で単にちょっと疲れているだけなのか、歳をとったせいなのか、病気のサインなのか、犬たちが話してくれないことにもどかしさを感じます。

飼い主さんの多くは犬たちの元気を食欲や散歩などへの意欲で計っているのではないでしょうか。

老化に伴ってだんだんと変化していく場合はまだ良いのですが、ある時急に動きが悪くなったり食欲がなくなったりしたときは要注意です。

そんなとき犬たちは熱を出していたり、体のどこかが痛かったり、体が小刻みに震えていたりするかもしれません。これは犬の体で何らかの異変がおこっているサインです。

骨の異常、内臓の異常、中毒、誤飲などの原因が考えられます。そのなかでも特に緊急を要する症状をみてみましょう。

 

犬をすぐに病院へ連れていくべき危険なサイン

1.立ち上がることも困難なほどぐったりしている

それまで全く問題ない動きをしていたのに、急にぐったりしたときは要注意です。

毒性の強いものを間違えて食べてしまっていたりする可能性もありますし、あるいは熱中症の症状かもしれません。

ぐったりした犬たちは激しい嘔吐をすることもあります。このような場合は異物誤飲などによる中毒の可能性もあるので、早急に動物病院へ連絡をしましょう。

 

2.食事の後に腹部が膨れて嘔気がある

これは「胃捻転」の可能性があります。

胃捻転とはなんらかの原因で胃に急速にガスがたまり胃拡張をおこしたあと、胃がねじれてそのガスが体外に排出できない状態に陥ることです。

処置が遅くなると拡張した胃が臓器や血管を圧迫し、血流を阻害したり低血圧によるショックを起こしたりして死に至る大変危険な症状です。

早食い、大食い、一気食いなどをする犬で起こりやすいと言われています。

 

3.多飲多尿になる

これは膵臓や腎臓にトラブルがあることが多い症状です。

膵炎をおこすとインスリンの分泌が阻害され、糖尿病のような症状を起こします。血糖値のコントロールができない状態が続くと糖尿病性ケトアシドーシスという病態に陥ります。

こちらも早急に膵炎を治療しインスリンで血糖値のコントロールをしなければ致死する危険な状態です。

雌の場合、子宮蓄膿が原因となったりや黄体ホルモンが過剰分泌されたりして糖尿病状態になることもあります。

他にも腎不全を患うと多飲多尿といった症状が現れまます。腎臓の機能が衰え、必要な水分を体内に再吸収できず脱水してしまいます。腎不全の初期には多飲多尿という症状が起こりますが、末期になると全くおしっこが出ない乏尿という状態になります。早期発見、早期治療が大切です。

 

4.貧血になっている

普段は元気に歩いているのに、急によろけるようになったり足を躓かせたりするようになった場合は貧血の可能性もあります。

歯茎や瞼の内側の血色をよく観察しましょう。これらが薄い場合は赤血球が足りていません。

貧血には赤血球の産生に障害があって起こる場合と、赤血球が壊れすぎて起こる場合があります。

赤血球が壊れて起こる貧血には玉ねぎの中毒も含め様々な原因がありますが、重篤になるものに免疫介在性溶結性貧血というものがあります。

自分の免疫機能が暴走し、自分の赤血球を壊してしまう病気です。どんどん作ってもどんどん壊されてしまうため、免疫機能の暴走を止めるためステロイド剤や免疫抑制剤などを使用しますが亡くなる恐れの高い病気です。

赤血球が少ないとすべての臓器で酸素が不足していくため、早急に治療が必要となります。

 

まとめ

上記以外にも犬たちは病気に対して我慢強くいつの間にか症状が進行していることが多いため、ある日突然具合が悪くなるといったことがたくさんあります。

突然死のリスクを避けるためにも、飼い主さんは犬たちの様子を普段からよく観察し、ちょっとでも気になることがあればかかりつけの獣医さんに相談していくことが大切ですね。

またなんでもない時でも健康診断を受けるなど、犬たちの「通常のデータ」を持っていることも病気の早期発見に役立ちますのでおすすめです。
 

(獣医師監修:平松育子)

提供・わんちゃんホンポ

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