走りなれている道で調整するのがベスト

 せっかく車高調や減衰調整式のダンパーを入れても、交換したときのメーカー標準値に合わせたっきりで、一度もイジったことがないというクルマ好きも少なくない。車高についてはなかなかシビアで、アライメント調整が必要になり、気軽にイジるわけにはいかない。だが、ダンパーの減衰力はときどき少しハードにしたり、ソフトにしたりして、自分なりのアレンジを楽しんでみるのはいかがだろうか。

 

調整するときは2~3ノッチ動かした方が体感しやすい

 やり方としては、まず走り慣れている道で、前後のダンパー減衰力を2段ぐらいソフトにしてみる。調整幅が10段以下のダンパーなら、1クリックだけでもいいが、20段近い調整幅があるダンパーなら一気に2~3ノッチ動かした方が変化がわかりやすいのでおすすめだ。
 

 走るステージも重要で、普段よく走る通勤路や郊外のワインディング、首都高などの高速道路など、馴染みの道で、セッティング前の走りと比較しやすい場所を選ぶのが重要。ダンパーをソフトにすれば、乗り心地もよくなるのはもちろん、意外に接地性がよくなってグリップ感が増すことも多い。

 とくに純正タイヤよりロープロファイルのタイヤに履き替えている場合は、タイヤ自体のたわみ量が少ないので、その分ダンパーをソフトにしてあげると相性がよくなるケースも少なくない。また、ブレーキでもう少し穏やかにピッチングを増やしたい、ステアリングの効きがシャープに感じる場合も、ソフト方向に振るのが有効。
 

メーカー推奨値よりもソフトかハードの違いを確認する

 一方、思ったよりロール感があったり、ブレーキ時のピッチングのスピードが早く感じる場合は、ダンパーを前後とも2ノッチほど締めてみるのといい。大事なことは、メーカー推奨値、それよりもソフト、それよりもハードの3パターンを試してみて、違いと変化量や方向性を確認すること。
 

 とくにスポーツ走行=ハードなサスというイメージを持っている人は、試してみると案外ソフト気味のセッティングにメリットがあることに気がつくかもしれない。

 もちろん、デートのときや雨の日は、減衰力を落とす方向で間違いないが、荷物満載や家族全員で乗るようなときは、ロールやピッチングスピードを抑えるのにダンパーをハード方向へ振るのもあり。そうした違いがわかるようになったら、前後の減衰力を別々にイジるのも面白い。
 

 例えば後輪駆動車でもっとトラクションが欲しければ、フロントをハード、もしくはリヤをソフトにして、相対的にフロントよりリヤが動きやすいアシにしてみるといい。もし、アンダー気味でフロントのグリップがもっと欲しい、FFでトラクションが足りない気がするといったときは、フロントをソフト、リヤをハードに振って、リセッティングしてみる方法もある。
 

 繰り返しになるが、大事なのは走り慣れた道、もしくは何往復(何ラップ)もできるシチュエーションで一気に2ノッチぐらい変化させ、まずは方向性を探ること。それがわかれば、そこから1ノッチプラス・マイナスと、微調整をしていけばいい。
 

  「いろいろ試して、結局メーカー推奨値が一番よかった」といった結論になったとしても、それはそれで納得もできるし、良し悪しの判断基準もできるはず。だからこそ、チャンスを見つけていろいろなセッティングを試してみて、違いを知るのもありだろう。

 ただし、どのセッティングでも硬すぎて、最弱しか使えないというダンパーは、すぐに処分してしまった方がいい! また、使用期間が長くヘタってきたダンパーで、減衰力調整ダイヤルをハードに振っても、決していいフィーリングにはならないので、そうした期待は持たない方が無難………。ダンパーは消耗品なので、ヘタったダンパーは、早めにオーバーホール(交換)するようにしよう。

Text:藤田竜太
提供:Auto Messe Web
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