メルカリの「規約改定」が「高額転売OK?」と話題に、改定の理由をメルカリに聞いてみた

メルカリは5月31日、利用規約の改定を発表しました。その内容が「転売容認なのか?」とSNSで話題になっています。メルカリに真意を聞いてみました。

メルカリ利用規約が6月30日に改定されることに

メルカリは5月31日、メルカリとメルペイの利用規約を6月30日に改定すると発表しました。時代に合わせて規約を変えていくことに問題はないと思うのですが、その改定内容が「転売容認なのか?」とSNSで話題になっています。
 

具体的にどういったことなのか、All About編集部はメルカリに真意を聞いてみました。
 

メルカリの「規約改定」で何が変わるのか?

メルカリが発表した利用規約改定の中で、今回特に話題になっているのが利用規約第10条第2項です。
 

改定前にはこう書かれています。

第10条 商品の購入
2.購入意思等
ユーザーは、購入する意思のない注文、転売等の営利を目的とした商品の購入等、及び弊社の判断でいたずら目的と見受けられる注文を行うことはできません。


改定後にどうなるのかというと、

改定後:
第10条 商品の購入
2.購入意思等
ユーザーは、購入する意思のない注文等、弊社の判断でいたずら目的と見受けられる注文を行うことはできません。


つまり、「転売等の営利を目的とした商品の購入等」が削除されているのです。
 

メルカリでは転売が大きな問題になることもあり、ユーザーも転売には敏感です。むしろ抵抗を感じていると言えるのではないでしょうか。そのため、今回の改定では「え?転売OKなの?」という声も少なくありません。
 

そもそもなぜ転売の部分が削除されたのか? 特定の商品においては既に注意喚起をしている

メルカリも、転売については目を光らせています。2021年の3月にファーストリテイリングと転売について提携を発表したのは話題になりましたよね。さらに9月にアサヒビール、11月にユー・エス・ジェイ、2022年3月にオリエンタルランドとも連携を発表しています。
 

例えば、オリエンタルランドとは以下のような連携内容になっています。
 

オリエンタルランドの対応

  • メルカリに対する、特定商品の情報や発売情報などの提供
  • 東京ディズニーリゾート・オフィシャルウェブサイト等での注意喚起の実施

メルカリの対応

  • オリエンタルランドからの情報提供に基づいた、特定の商品の取引に対する「メルカリ」アプリ上や公式ブログでの注意喚起
  • 「メルカリ」の利用規約に違反する特定商品の出品への削除対応の実施


特定の商品が本来の価格よりも高値で出品されていて、それを購入しようとすると「この商品は高額な価格で出品されている可能性がある」といった内容が表示されます。購入ができないわけではなく、あくまで注意喚起にとどまっていますが、購入しようとするユーザーの気持ちをいったん落ち着かせるような効果は期待できるのでしょう。
 

そもそもなぜ転売の部分が削除されたのか? 有識者会議での議論がベースになっている

メルカリ規約改定について、All About編集部がメルカリに質問をしたところ、以下のような回答をいただきました。
 

メルカリ:外部有識者で構成される「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」での議論および、当該議論を通じて策定した「マーケットプレイスの基本原則」の理念・方針に基づき、利用規約から削除したものになります。
 

今回話題になっている転売については、「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」第六回に「人気高騰商品の転売について、基本原則案に照らすと、高額であることをもってただちに問題になるという意見は見られなかった」との記載があります。
 

メルカリの基本原則は「多様な価値観を持った人たちが、自由に取引できるマーケットプレイスを創ること」を重要な理念とし、多様な価値観を持った売り手と買い手の自由な取引を通じ、需給のマッチングを実現することが大切、ということ。これにおいては、すぐには大きな問題にはならないとの判断だったということになります。
 

ただ、世の中の意見としては批判的なものも少なくありませんし、企業からも転売に対する強い意見が出ているのでしょう。具体的に商品に転売禁止と記載するような会社もありますよね。また高額転売によって消費者が買えなくなってしまうという意見も、メルカリは受け止める必要があるでしょう。さらにメルカリのユーザーとしては「今買わなくちゃ!」という焦りや、高額転売であったとしても買ってしまう気持ちがあるのは否定できません。
 

だからこそメルカリは、高額転売されやすい商品を扱っている企業と連携をしています。また高額転売が現時点では大きな問題ではないとの判断だとしても、今度はどうなるか分かりません。高額転売のターゲットになる商品はまだまだたくさんあるのは事実ですから、今後も他の企業と連携をしていく、あるいはさらに規約を改定して転売に対する何らかの対策を取る可能性もあります。メルカリが市場を守っていく必要性が消えるわけではないということです。


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【関連リンク】
2022年6月30日付 メルカリ利用規約およびメルペイ利用規約改定詳細(メルカリびより)

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