初心者にはローパワーなモデルがおすすめ!
それを引き出すには、最初は下手くそで、ギクシャクしたりエンストしたり、大変な思いをしながらも回数を重ね、操作の質を上げて、クルマとの対話がしっかりできるようになっていくことが不可欠。もし最初からそこそこ上手く運転できてしまったら、そこからさらに上手になろうとは思わなくなりますよね。スポーツカーとは、運転の教科書であり、先生であり、同志でもあるという、人との不思議な関係が築けるクルマなのではないかと思います。
もし初心者がファースト・スポーツカーを選ぶのならば、注意したいのは大排気量やハイパワーではない、2リッターくらいまでのローパワーなモデルを選ぶこと。昨今はスポーツカー全般的にハイパワー化が進み、制御も緻密に入るようになってきており、誰が乗っても速く、そこそこ上手く走れてしまうようなスポーツカーも増えています。でもそれだと、クルマの挙動を身体で感じたり、路面からのインフォメーションをリアルに感じ取ったり、エンジンの回転数に合わせてしっかりと操作をするといった、運転が上手くなるための要素がなかなか得られなくなってしまうのです。
たとえばマツダ・ロードスター、GR86やスバルBRZ、スズキ・スイフトスポーツといった、ローパワーで車両重量も軽めで、あまり制御が入らないようなモデルがオススメです。軽自動車なら、スズキ・アルトワークスやダイハツ・コペン、ホンダS660なども同じような楽しさが味わえるはず。
また、車種以外でチェックする点としては、運転ポジションが適正に取れること。これはいちばんの基本です。スポーツカーは着座位置が低く、人によっては視界が最大限に取れなくて死角が多いと感じるモデルもあるので、座ってみて視界に不安がないかどうかもチェックしたいところです。運転してみて、最初は「難しいかも」と思ったとしても、そのほうが半年後、1年後に感じる喜びが大きい可能性が高いので、メゲずに何度も乗って練習することが大事です。
ただ、最近はYouTubeなどの動画サイトでプロのレーシングドライバーのテクニッックを見ることができますが、それをいきなり真似するようなことはNG。プロだって最初からあんなことができたわけではなく、見えないところで血の滲むような努力をしてきたからこそ、かっこいい走りを習得できています。無理せず、一歩一歩上達していくのがいちばん。だんだんと、クルマの気持ちがわかるようになってくるはずです。そして、スポーツカーを自分の手足のように運転することができるようになれば、もうどんなクルマでも余裕を持って運転できる人になっていると思います。ということで結論は、初心者こそ、スポーツカーに手を出すべし、です。
Text:まるも亜希子
提供:WEB CARTOP
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