当時不人気車だった「AE92」の中古車価格がいま俄に高騰中!!

 いまさら言うまでもなく、旧車の高騰ぶりは凄まじいものがある。それは名車たちの価格だけでなく、裾野がどんどんと広がっていくことも含めてだ。比較的最近のモデルもネオヒストリックともてはやされるのがいい例だ。そのなかでも不人気車まで価格が上がっているのはどうしたものかである。

 

FF化が足枷に!? 90年代の中古車市場では不人気モデルだった

 そのなかで今回注目するのがAE92型のカローラレビンとスプリンタートレノだ。つまり、いまや伝説の名車にもなっているAE86型ハチロクの後継車で1987年にそれぞれ登場した。もちろんカローラレビンとスプリンタートレノという兄弟車であるというのはそれまでと同じで、ハチロク同様ヘッドライトは固定式(レビン)とリトラクタブル式(トレノ)を採用していた。
 
AE92型カローラレビンGT-Z

 この通称キューニーは、当時けっこう売れたし、実際に街中でよく見かけたものだ。売れた理由のひとつがFF化で、「ついにレビトレもFFか」という落胆はクルマ好きの間ではあったものの、E80系のカローラとスプリンターはそれぞれFFといういびつな感じだったので覚悟ができていたのはある。そもそもFRのハチロクは当時としてはそれほど珍重されていなかったし、FFスポーツ時代が到来したという感じのほうが強かった。
 
AE92型スプリンタートレノ

 

スーパーチャージャー搭載のGT-Zを追加ラインアップ

 ウリとしてはソアラをモチーフにしたいというクリーンなデザインと、途中でスーパーチャージャー仕様が採用されたこと。また、コンパクトクーペとしてデートカーとしても支持されたのは今では考えられないことだろう。ちなみにスーパーチャージャーのスペックはテンロクで、当初は145psでのちに165psにパワーアップ。ヒューという音を出して加速するのは新時代な感じはしたものの、それほどズバ抜けたものではなかったというのが正直なところだ。乗っても、それほど楽しい感じはしなかった。
 
1.6L直4DOHCスーパーチャージャーの4A-GZEエンジン

 さらに売れたとはいえ、その分、中古車市場には安いものが流れて、潰れていったというのがその後の流れ。実際、最近はほとんど見ることはない。その後の再評価といってもハチロクからFF化された軟弱なレビン&トレノ止まりだったし、4A-Gのドナーとなった個体も多かった。

 

旧車人気のなか現存する個体の少なさもあって価格は徐々に高騰中!

 それが今や価格が上昇している。旧車高騰に引っ張られつつ、残存するタマ数がないことも影響しているのだろう。100万円から200万円あたりといったところで、スーパーチャージャーだと200万円を超えるものも。ほかに比べると安いと言えば安いし、あのキューニーで200万円と考えれば高いとも言える。
 
AE92型カローラレビンのフロントスタイル

 ただ、これから高くなることはあっても安くなることはないし、キューニーとはいえ、レビン&トレノには変わりない。FFとはいえ、このようなライトウエイトスポーツはもう出てこないだろう。走行距離は10万kmまではいっていない個体が多いのも魅力だ。
 
AE92型スプリンタートレノのフロントスタイル

 エンジンまわりを中心にして純正部品はかなり欠品していて、これからは維持も大変になることが予想されるだけに、今が買い時と言ってもいいかもしれない。ただし、30年以上経っているモデルだけに、程度の見極めは大切で、高いから程度がいいと必ずしも言えないことは頭に入れておいたほうがいいだろう。

TEXT:近藤暁史
提供:Auto Messe Web

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