日本車なのにどこか異国情緒を感じさせる懐かしの逆輸入車たち

 日本車であっても、じつは海外で企画、生産される純日本車だったら生まれなかった秀逸なデザインや機能を持つクルマがある。そのなかには日本未導入のクルマもあれば、逆輸入というカタチで日本でも販売されたモデルもあるのだ。ここでは、そんな逆輸入車を紹介したい。

 

デザインが秀逸な逆輸入車:01「ホンダ・エレメント」

 まずは、なぜか最近街中や海山で見かける機会が多い(※筆者の場合)、ホンダ・エレメントだ。空前のSUVブームの今だからこそ、中古車人気が再燃……ということもあるだろうが、今見ても決して古さを感じさせない逆輸入車である。そもそもホンダ・エレメントは2001年の北米国際自動車ショーで披露されたコンセプトカー「モデルX」の市販バージョン。ホンダ・アメリカでデザインされたこのクロスオーバーモデルでは、西海岸のサーファー、ライフステーション(ライフセーバーの詰め所)がキーコンセプトで、観音開きドアを採用し、もちろんサーフボードを車内に積める室内空間が確保されていた。
 
ホンダ・エレメントのフロントスタイル

 日本には2003年に逆輸入され、当時、一部のユーザーにウケまくったという記憶がある。筆者も沖縄の海辺で試乗し、その個性あふれるコンセプトに共感したものだ。現在の中古車価格は100~150万円と、ある意味プレミアム価格になってしまっている。
 
ホンダ・エレメントの観音扉

 

デザインが秀逸な逆輸入車:02「スバル・B9トライベッカ」

 クロスオーバーモデルとしては、2005年に登場したスバルのB9トライベッカも、ニューヨークのマンハッタン、トライベッカ地区の名前が付けられた北米&カナダ専用のクロスオーバーSUV。パワーユニットは3L水平対向6気筒エンジンで、もちろん4WDを採用。2006年以降はヨーロッパなどでも販売が開始されている。もっとも、スバルの軽自動車R2を思わせる、とってつけたようなスプレッドウインググリルはあまり好評ではなかったようだ。
 
スバル・トライベッカのフロントスタイル

 

デザインが秀逸な逆輸入車:03「初代日産ムラーノ」

 一方、優れたエクステリアデザインを持つクロスオーバーモデルとして挙げられるのが、2002年に北米市場で発売された初代日産ムラーノだ。基本部分はJ31型ティアナと同じFFプラットフォームだが、スタイリッシュさと走行性能&走破性を両立。北米で高い人気を得ただけでなく、2003年の東京モーターショーで北米仕様を展示したところ、日本では生まれなかったと断言できる秀逸なデザインがウケ、大反響を得ることになり、急遽、右ハンドルの日本仕様を販売したという経緯がある。
 
初代日産ムラーノのフロントスタイル

 現行型はその3代目にあたり、北米と中国で売られているが、スタイリッシュさもアップデートされ、まさに芸術的エクステリアデザインとなっている。ただし、ボディサイズは全長4820mm×全幅1920mm×全高1690mmと、日本で売るにはちょっと大きすぎる感もある。日本におけるクロスオーバーモデル、SUVはエクストレイル、アリアの布陣でいく、ということだろうか。
 
北米仕様の3代目ムラーノ

 

デザインが秀逸な逆輸入車:04「トヨタ・アベンシス」

 走りは欧州車そのもの……と言っていいトヨタのセダン&ワゴンモデルがアベンシスだ。その初代モデルは1997年にデビュー。98年に欧州専用車として販売が開始され、生産はイギリスにあるトヨタの工場で行われた。初代は日本への導入がなかったものの、2003年に登場した2代目は日本でも逆輸入車という形で販売されることになった。
 
2代目トヨタ・アベンシスワゴンのフロントスタイル

 なお、2008年からの3代目は当初、日本への逆輸入は見送られていたものの、トヨタがワゴンラインアップを拡充するため、2011年から2018年まで、ワゴンのみ日本市場でも販売された。走行性能はなるほど、英国仕込みの良さがあり、エクステリアデザインも純日本車とは違う欧州の香りが漂うものであった。中古車市場での台数は極めて少ないものの、100万円台が中心。最後期のキーングリルを採用した2018年式で100万円台前半の中古車も見つけられるかもしれない。スタイリッシュワゴンとしてレアなモデルであるものの、中身は日本車、トヨタ車だから安心して乗れるだろう。
3代目アベンシスワゴンのフロントスタイル


TEXT:青山尚暉
提供:Auto Messe Web

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