「関東仕入れ」「雪国モノ」って鮮魚か野菜? 中古車は「産地」にも注意が必要だった

中古車価格は全国均一化が進んでおり、査定額に差はないとされている。しかし雪国で使用されていたクルマは今でも安価だ。安いからといって気軽に手を出してしまうと、品質に問題があることもある。今回はこのようなクルマを購入する時の注意点を解説したい。

雪国のクルマは今でも安く販売される

 今では中古車の査定額に差はないとされる。中古車情報誌の登場やネットの普及で、どこにいても相場がわかるようになり、全国均一化が進んだ。以前は地域毎、業者毎に判断して査定額や中古車販売価格を決めていたため、地域によって差があった。今でも古本やゲームソフトで行われているセドリと同じように、ほかの地域から買い付けに行って、その差額で儲けを出す業者もいて、その昔、並行輸入などで財を成した某有名自動車販売会社が有名だ。

 強いて言うなら、オープンカーは冬は安くなるし、家族のなかでもひとり一台が当たり前の地域では軽自動車が人気で相場が高めというのもあるだろう。

 ただし、今でも確実に安いのは雪国ものだ。海辺で使われていた車両も注意が必要だが、海岸は日本全国どこにでもあるので区別がしにくいというのが現実。その点、雪国は線引きができる。なにが問題かというと、冬場に撒かれる融雪剤による下まわりの腐食。融雪剤とは塩なのでひどいものだと、最近のクルマでもフロア下を覗いたら真っ赤。ボロボロに腐食していたりもして、安く仕入れられる。非降雪地からわざわざ買いに行って、下まわりが難ありなのを隠して販売している業者もいるため注意したい。
 

 中古車を見る際には必ず下まわりを覗いたほうがいいし、どこのオークションで仕入れたかを一応聞いてみるのもいい(本当のことは言わないかもしれないが)。もちろんグサグサの下まわりを直すのは不可能に近いだろう。

 雪国仕入れの逆もあり、よく聞くのが「関東仕入れ」という言葉。もちろん雪国で使われる言葉で、雪が降らない。つまり融雪剤のダメージがない関東からやってきた中古車のことを指す。それだけ程度がいいということになる。もちろん関東からわざわざ買うということは、オークションへの参加はオンラインでできるものの、陸送費がかさむので少々高くなる傾向にある。それでも融雪剤で真っ赤になった下まわりのクルマを買うのは憚れるだけに、プライオリティがあるのもうなずける。

Text:近藤暁史

提供:WEB CARTOP

【関連記事】
どう考えても安すぎ! 「ひと桁万円」もある激安中古車のカラクリと品質の謎
【S点やR点や4点って何だ?】中古車の通信簿「評価点」のもつ意味と決まり方
【お宝】もしも車庫に眠っていれば高値が付く超人気の中古車4選
キレイに見えたのに……中古車購入時に「ハズレ」を引いて泣かないために見るべきポイント4つ
中古車購入後のお手軽作業で前オーナーの「痕跡」を消す方法5つ
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『オッペンハイマー』を見る前に知ってほしい6つのこと。2つの用語、時系列、モノクロシーンの意味は?

  • どうする学校?どうなの保護者?

    なぜPTAで子どもの保険を扱うのか? 2024春、東京都Pが“別組織”で保険事業を始める理由

  • AIに負けない子の育て方

    2024年の中学入試は「弱気受験」だったというが…受験者増の人気校に見る、中受親の変化

  • アラサーが考える恋愛とお金

    仕事×子育てを両立できるのは「ごく一部の恵まれている女性」か。女性の社会進出という“風潮”が苦しい