「エモい」というキーワードで話題のレトロ郵便局をはじめ、ノスタルジックな魅力あふれる郵便・切手の世界。切手収集家・郵便史研究家として活動する板橋祐己さんに、マニアな視点でその魅力を掘り下げてもらいます。シリーズ第2回は、郵政創業150年の記念すべき節目にあたる2022年「切手趣味週間」切手の味わい方を案内します(第1回はこちら)。
2022年4月20日は郵便創業から満150年を迎える大切な日です
 

#2.最新の印刷技術で「昭和の名品」を味わいませんか?

「切手趣味週間」切手84円3種が2022年4月20日(水)に全国の郵便局で発売開始されます。1シートは10枚構成となっており、ポッピンを吹く娘4枚(喜多川歌麿)、市川鰕蔵の竹村定之進(東洲斎写楽)4枚、手鞠つき(鈴木春信)2枚を収めます。販売価格は840円、60万シートの限定品です。 
2022年4月発行の「切手趣味週間」切手84円3種
 

Q. 2022年の「切手趣味週間」切手はなぜ話題?

「切手趣味週間」切手の発売日である4月20日は現在の郵政記念日(旧逓信記念日)であり、4月20日を含む1週間が切手趣味週間(2022年は4月20~26日)とされています。日本の郵便制度が始まった明治4年3月1日(陰暦)が西暦1871年4月20日にあたることから、郵政関係者にとっては会社の創業記念日であり、切手収集家からみれば、日本切手の誕生日として重要な日ということになります。とりわけ2022年4月20日は郵便創業から満150年を迎えることから大きな意味を持ちます。
過去の「切手趣味週間」切手と切手収集用ピンセット

2022年4月発行の「切手趣味週間」切手3種が注目されているのは、過去の「切手趣味週間」に採用された浮世絵が再登場しているためです。1955年のポッピンを吹く娘(通称 ビードロ)、1956年の市川鰕蔵の竹村定之進(通称 写楽)、1957年の手鞠つき(通称 まりつき)はいずれも「切手趣味週間」切手の代名詞的な存在となっています。これら3種の図案が令和の最新技術で再現されることもあり、広く話題を集めているのです。 
2022年4月発行の「切手趣味週間」切手の一部
  

Q.昭和の名品「ビードロ」は、どんな切手?

過去の切手を振り返ってみましょう。1955年のポッピンを吹く娘(通称 ビードロ)は当時としては珍しい多色刷りの切手でした。大蔵省印刷局が西ドイツ・ゲーベル社の2色刷りのグラビア印刷機を連結し、初めて4色刷りの切手を製造したのが、1955年の「第15回国際商業会議所総会記念」であり、2例目がポッピンを吹く娘でした。当時の技術では、浮世絵特有の髪の生え際の繊細な線などを細かく再現するまでには至っていませんが、切手としては非常によく仕上がっています。
4色刷りに挑戦した「第15回国際商業会議所総会記念」と「ポッピンを吹く娘」
 

Q.  昭和31年の「写楽」を見ると何が分かる?

1956年の市川鰕蔵の竹村定之進(通称 写楽)はビードロと並び称せられる切手ですが、当時開発されたばかりの記念切手用のグラビアコート紙(長すき特グラビア用紙75)を使用したため、グラビア印刷の網点や光沢の印象など、印刷の出来栄えに大きな差があります。ビードロと写楽の2枚をとっても当時が印刷の過渡期であったことや、いずれも当時の最新技術を駆使した切手であったことが分かります。 
1956年発行の「市川鰕蔵の竹村定之進」の部分

一方、2022年4月発行の「切手趣味週間」切手3種の印刷はオランダのエンスケデ社で、オフセット6色、凹版1色の組み合わせです。総合デザインは日本郵便の主任切手デザイナー玉木明さんを起用しています。いわば現在の切手デザイナーの第一人者が昭和の名票とどのように向き合い、150年の節目の切手を仕上げてくるかと楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。そしてもし機会があれば、過去に発行された「切手趣味週間」切手との質感の違いなども味わってほしいと思います。


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