電動車全盛で今買わないと本当に消える! たった100万円以下のスカッと快感MT車6選+α

国産MTモデルが高騰している。その影響は'90年代〜2000年代国産MT車にまで波及。人気モデルは新車価格を上まわるモデルも存在する。新車は買えないし中古車も高いとなると絶望しかないが、100万円以下で十分に走りで昇天できる狙い目な国産MT車をピックアップ

絶滅危惧種のMTモデルも100万円以下で味わい尽くせる!

 世界的にEVへのシフトが始まっている昨今、ガソリンエンジンのMT車はこれからどんどん貴重になっていく。もしMTのスポーツカーに乗りたいのなら「今のうちに新車を買っておけ!」と、声を大にして言いたいところ。だが、先進国で唯一、この30年間賃金が上がっていない日本では、新車はおろか価格高騰が続く中古の国産スポーツカーにもなかなか手が出ないという実情も……。そこで、いまなら間に合う100万円以下のMTスポーツカーをピックアップしてみよう。

 

11代目日産スカイラインクーペ(CV35型/2003年〜2005年モデル)
フロントミッドシップのスポーツクーペが意外と激安

 後輪駆動のMT車のクーペで、100万円以下となると一番の狙い目はこのCV35型スカイラインクーペ。Z33と共通プラットフォームのフロントミッドシップで、見た目以上にスポーティな走りが楽しめる。日産車なのでチューニングノウハウのあるチューナーも多いし、パーツ類も豊富。ブレーキは純正でブレンボ製だし、NAなのでランニングコストも決して高くはない。

スカイラインクーペ(CV35型)

 平均相場が80万円台のいまがチャンス! ちなみに日産車でいえばノート1.6 NISMOなども考えられるが、意外にまままだ相場が高い。コスパ的にはもうひとつだ……。

 

マツダRX-8(SE3P型/2003年〜20013年モデル)
燃費は聞くな! とにかくパッケージが優秀なハンドリングマシン

 じわじわ相場が上がってきているRX-8は、いよいよ平均価格が100万円に! 正直、燃費の悪さは閉口するかもしれないが、最後のロータリースポーツで、動力性能よりもシャーシ性能が勝っているので、コーナリングマシンとしては第一級のパフォーマンスがある。エンジンや観音開きドア、ハンドリングも比類なき存在なので、気になる人は今のうちに購入しておくと後悔しないはず。

RX-8(SE3P型)

 

4代目マツダ・デミオ15MB(DJLFS型/2015年〜)
最小限の装備で軽量&6速MT搭載のモータースポーツベース車

 コンパクトカーでは、マツダのデミオ1.5MBも狙い目。2019年で生産を終えた4代目(※編集部注:現在はマツダ2 15MBとして新車販売中)の相場が100万円前後。MB=モータースポーツベースで、余計なものは省かれていて、1トンのボディ(1020kg)に、最高出力116psの高効率直噴ガソリンエンジンのSKYACTIV-G 1.5を搭載。軽い車重と6速MTで限られたパワーを使い切る面白さがある。

デミオ15MB(DJLFS型)

 

2代目マツダ・ロードスター(NB6C・NB8C型/1998年〜2005年モデル)
不人気な2代目だが走らせるのその魅力は垂涎モノ

 ロードスターも絶賛価格高騰中の一台。歴代ロードスターで平均価格が100万円以下なのは2代目モデルのNBのみ。それでも相場は85万円前後まで上昇してきている。軽くて、素直で後輪駆動。パーツも豊富で壊れない。ガンガン走っても楽しいしドラテク磨きに最適な一台だ。いま乗ってもいいクルマだと思うし、不朽の乗り味と言っていいだろう。

NBロードスター

 

3代目スズキ・スイフトスポーツ(ZC32S型/2010年〜2016年モデル)
「速くて、安くて、楽しい」の三拍子揃ったコスパ最高ホットハッチ

 今もっともコスパが高いホットハッチといえるのがスズキのスイフトスポーツ。現行車の新車が180万円〜というのはバーゲンプライスだが、先代の3代目スイフトスポーツなら70~80万円で探せる。3代目まではNAエンジンではあるが、アフターパーツも豊富でチューニングの伸びしろは大きい。サーキットでスポーツ走行を楽しんだりするのにはもってこいの一台。

スイフトスポーツ(ZC72S型)

 スズキだとアルトワークスのMTも面白いクルマだが、中古車相場はなかなか強気。100万円以下でコンディションのいい個体がなかなか見つからない……。

 

7代目トヨタ・セリカ(ZZT230型/1999年〜2006年モデル)
日の目を浴びることはなかったがハンドリングは光った

 ちょっと古いモデルになるが、最後のセリカ=T230もけっこういいクルマ。中古車相場は75万円ぐらいだ。T230はWRCにも出場せず、GT-FOURも廃止され、FF専用シャーシとなっている。エンジンも2Lの3S-GTEから1.8Lの2ZZ-FE(VVTl-i搭載)と1ZZ-FEのそれぞれNAエンジンにスケールダウンしたこともあり、なんとなく影が薄い存在だが、ハンドリングの良さには光るものがあった。

セリカ(ZZT230)

 CALTY(トヨタが北米で設立したデザインスタジオ)が手がけたスタイリングも面白く、センスのいい色でオールペンでもすれば、街中でも一目置かれる存在になるだろう。

 

探してみると意外と見つかる100万円以下の国産MTモデル!

 他にもホンダのフィットRSやN-ONEなどもMTがあって、パーツなども充実しているが、中古車でも値段が高いのでオススメしづらい。CR-Zなら70万円前後だが走って楽しいかというと疑問符が付く。

 安さでいえば、ダイハツのエッセあたりはどうだろう。ミラがベースのエントリーモデルだったこともあり、元々新車価格が70万円台と安価。中古車なら20万円台で手に入る。車重はたったの710kgで、エンジンは可変バルブ機構付きKF-VE。もちろん5速MTも選べる。

ダイハツ・エッセの走行シーン


 いまの軽自動車はハイトワゴンが主流だが、エッセは安定感のある台形スタイルで低重心。軽自動車のワンメイクレースで、ちょっとの接触、即転倒というシーンを見ているとこの低重心ボディはありがたい。「軽くて、安くて、そこそこ速い」、こんなMT車のホット軽もアリなのでは?


TEXT:藤田竜太
提供:Auto Messe Web

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