ひとり親家庭の養育費、受取り額「1万円以下」2割強。元パートナーに「怖くて連絡できない」実状も

フードバンク「グッドごはん」をする運営するグッドネーバーズ・ジャパンは、「ひとり親家庭の養育費」についての調査を実施。養育費の取り決め額、実際に受け取っている金額、滞る養育費について切り出せない理由など、調査結果から養育費受け取りの実状が見えてきました。

「火がついたようにキレだす」「怖くて連絡できない」言い出せない理由

「養育費を減額された/貰えなかったことがある」と回答した人のうち、「状況の改善のために働きかけたことがない」と回答した人は、東京で27%、大阪で31%でした。
養育費の減額や貰えなかったことについて、働きかけたことはありますか?
「働きかけたことがない」理由には、「もと主人のDVが原因で私が離婚調停をして離婚したので、怖くて先方には連絡していません」「離婚に応じてもらうだけで精一杯だった為」「精神的ストレスになる為、トラウマ」「養育費の話をすると火がついたようにキレだす。酒癖が悪く、DV、子供も殴られた事があるので、これ以上言うと命の危険があるので言えない」「連絡先がわからないため」「今住んでいる自宅を知られる恐れがあるため」などが挙げられ、連絡したくてもできない事情を抱えている人が多いこともうかがえます。
 

働きかけたとしても……「数回だけ」「脅迫紛いの行為」

一方、「働きかけたことがある」と回答した人でも、「何度か話し合いの場を設けたが、声を荒げ話し合いにならなかった」「裁判所に勧告してもらったが、また数回だけで払われなくなった」「一度、親戚から電話をかけてもらったが無視された。DVなどの問題があり、協議や調停を行うと負担が大きい。弁護士は費用が高額となるので難しい」「何度も電話で話し口座を聞かれ教えたが一度も振り込まれなかった」「弁護士に相談しましたが、相手方から脅迫紛いの行為があり弁護士が手に負えないとの事」など、働きかけたとしても、改善に向かわないケースも多数見られました。

養育費は、監護している親のものではなく「子ども本人のもの」であり、子どもの権利。養育費を貰えなかったために子どもの選択肢が狭まってしまうことのないよう、全ての子どもの養育費が確保される制度を見直す必要があると考えられます。


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