美しい国ニッポンを体験する旅「グランド・ツアー・ムスビ・ジャパン」

 豪華列車で行く「◯◯の旅」や、豪華客船で行くクルージング旅行というのは、よく耳にする言葉であり、実際に楽しまれている方もたくさんいるだろう。

 それなら、自分の愛車でドライブを楽しみながら、最上級のホスピタリティが味わえるちょっと贅沢な旅があれば、クルマ好きならば、きっと嬉しいに違いない。
 
 

コロナ後のインバウンドを視野に入れ、日本の魅力を再発見

 今回「愛車で巡る極上の旅を提案」するのは、「株式会社MUSUBI」代表の増田恵美さん。
 


 2017年にイギリスの旅行会社が、九州から愛車で桜前線とともに33都道府県を北上、日本を縦断するというグランドツーリング「サムライ・チャレンジ(SAMURAI CHALLENGE)」を企画した。それには世界13カ国から120名の自動車愛好家たちが参加し、さまざまな視点から美しい日本を紹介、世界中から集まったカーガイたちを楽しませた。
 


 そのときの運営スタッフという経験から、増田さんは「グランド・ツアー・ムスビ・ジャパン(Grand Tour Musubi Japan)」を企画。「アドベンチャーツーリズムなどの新たなインバウンド層を誘致するための地域の魅力再発見事業」として、観光庁からの令和3年度の採択事業となり、「グランド・ツアー・ムスビ・ジャパン2021」が開催されたのだ。
 
 

「スイートヴィラ」の部屋数に合わせてエントラント数は14組のみ

 日本の各地域にある魅力の再発見をテーマにしたこのツアーは、東京・大手町にあるパレスホテルをスタートし、まず立ち寄ったのは埼玉県加須市にある「ワクイミュージアム」。ここには吉田 茂元首相のロールスロイスや、白洲次郎が英国留学時代に各地を旅したベントレーなど、日本の歴史と結びつきのあるクルマたちが動体保存されていて、展示車両の解説を聞きながらのティータイムを送る。
 


 そして16世紀には関東の政治、文化、商業の中心であり、江戸時代には日光街道の拠点のひとつとなった茨城県古河市へとトリップ。「古河ヒストリックエリア」と呼ばれる旧い街並みが残る旧市街地へ。
 


 明治時代につくられた当時最新の「野木町ホフマン煉瓦窯」は、渡良瀬川流域の良質な年度と水運の利点もあり、東京駅や日光金谷ホテルのレンガにも使用されている。
 


 初日最後となるグランドツアーの中継地は「那須ファームビレッジ」。雄大な農場でひと息ついた一行は宿泊地へ。
 


 今回のツアーは、全室がスイートヴィラとなっている「アートビオトープ那須」の客室数に合わせた「14組」という組数で、エントラントのホスピタリティを最優先している。ディナータイムはエントラントの懇親会、大人の社交場だ。車種や年式は違うそれぞれの愛車たちではあるが、そこはクルマ好きという共通点から、さまざまな会話が弾む。
 

秋の那須~日光でのんびり過ごしながらドライブ

 2日目も心地よいドライブを楽しみながら、ときには駐車場に愛車を停めて観光名所を散策したり、自然観察をしたりと、クルマだけではなくさまざまな視点から、美しい日本を再発見させてくれるツアーである。

 ホテルでゆったりとした時間を過ごすのもよし、オプション設定されたアートの森を散策して楽しむのもエントラントの自由だ。
 


 そして、歴史の再発見の旅は続く……。立ち寄ったのは、ドイツ大使を務め終えてから那須に移り住んだ青木周蔵と妻エリザベートが、娘ハナと過ごした「旧青木家那須別邸」だ。
 


 1953年製「ベントレー・ラ・サルト」や1994年製「ミニ・モーク」、さらに最新フェラーリまで、多彩なクルマたちが連なってドライブ。いろは坂ではワインディングを堪能した。
 


 2日目の目的地、「中禅寺金谷ホテル」に到着した一行は、まずは中禅寺湖畔ボートハウスへ。こちらもデロンギからはバリスタによるコーヒーの提供があり、ボランジェのソムリエからはシャンパンが振舞われ、エントラントは日没を眺めつつアペリティフからのディナーを楽しんだ。
 
 

ツアーの締めはヴィンテージカーの「聖地」訪問

 最終日の朝、中禅寺金谷ホテルのエントラントには1949年製「ベントレー・マークVI DHCアボット」をはじめ名車たちが整列。その後、戦場ヶ原を抜けて竜頭の滝や英国大使館、そしてイタリア大使館や中禅寺湖畔を散策し、遊覧船でのショートクルーズと続いた。
 


 ザ・リッツ・カールトン日光でのランチにて、大人の旅はひとまず終了したが、オプションで用意された見学ツアーでは、わが国でのヴィンテージカー趣味の世界では伝説的な工房「ブガティーク」に。
 


 さらに日光杉並木、若竹の杜を経て、大谷資料館では採掘場に愛車で入場しての撮影など、夕刻までたっぷりと楽しめた。
 
 

新旧問わず魅力的なクルマの参加者をご紹介

 1995年製のポルシェ964スピードスターでポルシェ仲間の友人と参加したという井上さん。パレスホテルに集まった参加車両に圧倒され、ちょっと場違いな場所に来てしまったかもと感じたというが、すぐにエントラント同士、皆クルマが大好きな人たちだと意気投合、3日間の楽しい時間を過ごせたという。
 


 以前から夫婦でクラシックカー・ラリーを楽しんでいたというSさんは、流麗なボディが美しい2007年製の「ベントレー・アズール」で参加。奥さまは久々にコマ図と格闘したそうだが、今回のツアーはチェックポイントもないのでゆっくりと楽しめたそうだ。宿泊先のホスピタリティも含めて、素晴らしいツアーだったと大満足のご様子。
 


 イエローランプも鮮やかな「ベントレー・3L」は今回もっとも旧い1926年製で、オーナーは平野さんご夫妻。学生時代より体育会系自動車部でならした平野さんは、さまざまなモータースポーツを楽しんできた。そんな平野さんは、「ラリーと違いCO、PCのない、のんびりしたツアーは日数もちょうど良い感じ。次回もぜひとも参加したいです」と楽しまれたようだ。
 

 イギリスのカーブランド「アルヴィス(ALVIS)」の日本総代理店代表・竹内さんは、自らの愛車である1964年製「TE21パークウォード」で参加。「今回のツアーは競技と違い、ゆっくりと紅葉を楽しむことができ、コース設定も素晴らしく楽しめました。コロナ渦での制限も多かったと思いますが、参加者との交流を深めるゲームや、エントリー車両の説明などがあると、さらに面白くなりそうです。さらなる発展を期待しています。エントラント、運営スタッフ、すべての皆さまに感謝です」とコメントを寄せてくれた。また、アルヴィスのスタッフも「コンティニュエーションモデル」の「アルヴィス4.3Lバンデンプラ・ツアラー」で参加した。
 


 これまでも、ヒストリックカー・ラリーなど、競技を目的とした愛車で各地を巡るクルマ遊びはあったが、今回「グランド・ツアー・ムスビ・ジャパン2021」が先駆けた愛車でのツアーは、これからの新しいクルマ遊びの定番となる予感がする。
 


【詳しくはコチラ】
https://grandtour-musubi.jp/

TEXT:奥村純一
提供:Auto Messe Web

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