タコグラフにはさまざまな情報が記録される


高速道路を走っていると遭遇するのが、大型トラックの割り込みだ。深夜割引の関係から昼間よりも夜間のほうが多いし、かなり強引な場合もあって、ヒヤっとすることもある。万が一ぶつかっても、損害が大きいのはこちらだけに、なおさらだ。

しかし、なぜそんな強引な運転をするのだろうか? まずは燃費だ。大型トラックの場合、3km/Lぐらいとかなり悪い。大排気量かつ、荷物を満載すると重量もかさむので仕方がないが、運賃を削られる昨今、燃費をできるだけ落とさない運転が当たり前になっている。



乗用車だとブレーキをかけて減速して、再加速しても大きく燃費に影響を与えることはないが、大型の場合、一気に悪くなる場合がある。悪化を防止するには、やはり一定のアクセルをキープして、定速で走り続けるのがベスト。それゆえ、少々強引でも、前のクルマに追いついたら、そのまま車線変更でかわしていくのが常套となっている。

この点は運行管理も関わってきて、アクセルやブレーキの操作状況はタコグラフに記録されるのでなおさらだ。もともとは安全運転をしているかや、休憩をちゃんと取っているかを管理するためのものだが、最近はデジタル化され、通信でリアルタイムで情報が所得できるシステムも普及。記録される情報もスピードや回転数はもとより、急加速・急ブレーキやドアの開閉などまで多岐にわたるようになってきた。しかも通信で会社にリアルタイムで届くシステムもある。


 

リミッターの存在も関係している

ちなみに以前の丸い記録紙にインクでグラフを描くタイプをアナログタコグラフ、通称アナタコ。最近のデジタルデータとして記録したり、通信するのをデジタルタコグラフ、通称デジタコと呼ぶ。

そのため、運転の状態が事細かく記録されるようになったこともあり、燃費も含めた運転評価に使われることもある。そうなると、ラフなアクセルやブレーキ操作も指摘されてしまうため、割り込んででもスムースに運転することになってしまう。



また、運行管理とは関係なく、リミッターの存在もよく指摘される。新東名などでは乗用車は120km/h制限に引き上げられたが、大型トラックは90km/hがリミッター。さらにすべての乗用車が120km/hをきっちりと出しているわけではなく、走行車線とはいえ80km/hぐらいで走っているクルマもよく見かける。



つまりさまざまなスピードのクルマが混走している状態になってしまい、それらを回避するために強引に割り込むというのもある。もちろん3車線ある状態で、大型車が追い越し車線に出ることは禁止の場所がほとんどなので、マナーも関わってくる。

アクセルとブレーキで調整すればいいのに、と思うかもしれないが、燃費悪化もさることながら、一旦落ちてしまったスピードを回復するのには、じつはかなり大変だったりするのだ。知り合いのドライバーの「意地悪のように言われるが、こちらもやりたくてやっているわけじゃない」という言葉が印象的だ。

TEXT:近藤暁史

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