火種がなければ火災は起きない


 滅多に体験することはないだろうが、クルマというのはいったん火が出てしまうと全焼してしまうことが多い。

 エンジン車でいえばガソリンなどの燃料に火がつけばそうそう簡単に消火することはできないし、電気自動車でいえば万が一リチウムイオン電池が燃えてしまうと消防車でも消すことは難しい。

 いずれにしても車両火災が起きるには何らかの火種が必要で、それが火災の直接的な原因といえる。

 



 そして火種は大きく3種類にわけられる。

 ひとつが燃料やオイルといった油に由来するもの。

 ふたつ目がショートなど電装系に由来するもの。

 そして3つ目が太陽光によって起きるケースだ。

 それぞれオーソドックスなシチュエーションを具体的に見ていこう。

 まず燃料由来であれば、オーバーレブや疲労蓄積などでエンジンがブローしてそれに伴いオイルや燃料が熱くなっている排気系にかかって起きるというのが、ありがちなパターンだ。また燃料やオイルラインが破損して熱くなった排気系にかかるというパターンも少なくない。

 



 排気系といえば、かつては熱くなったマフラーやキャタライザーが枯草に触れて火災が起きるということもあったが、最近のクルマでは遮熱がしっかりしていることもあって、そうした可能性は低くなっている。

 ほかにもエンジンルームを整備した際に置き忘れたウエスや古布などが排気系に触れて火種になるというケースもある。

 

内装が燃えるのは凡ミスが理由


 ふたつ目の電装系由来の火花については、経年劣化により被膜がやぶれ、そこでショートが起きて周囲のなんらかに火をつけるというのが典型的なパターン。

 とくにDIYでフォグランプなどの電装パーツをつけているケースでは、配線の取り回しが不適切で、ボディにこすれて被膜がやぶれてしまい、そこでショートを起こしてしまうといったケースはまま見られる。

 旧車が燃えやすいというのも、当時のクオリティと経年劣化により配線が傷んでいることが多いからで、ダッシュボードの裏から火の手が上がったなんていうパターンは、電装系のショートに起因するものだ。

 また、バッテリー端子が緩んでショートして火災の原因となることもないとはいえない。端子が外れてしまうとエンジン始動もできなくなるから、定期的に締め付け具体を確認しておくといいだろう。

 



 ここまではユーザーサイドとしては定期的なメンテナンスでチェックするくらいしか対策しようのない火災の原因だが、太陽光によって火種が生まれるパターンは、人間側のミスであることが多い。

 よくあるのが、飲みかけのペットボトルを車内に放置していて、それがレンズの役割を果たしてシート地などに光を集めて火種となってしまうケース。同様に、フロントウインドウに吸盤でお守りなどをつけていたときに吸盤がレンズとなってしまい光を集めてしまうことも稀に起きるという。

 また、最近では紙巻きたばこを嗜む人も減っているので、あまり聞かなくなったが車内に放置した使い捨てライターが温度上昇によって破裂、それが原因で火災となる可能性もゼロではない。制汗スプレーなどでも破裂事故は起きることがある。

 



 これらについては意識していれば防げるものであり、いずれにしても注意しておけば火災を起こさずに済む。冒頭で記したように車両火災というのは、燃料に燃え移ると激しい火災になってしまい、そうなると廃車は免れない。

 自分のミスで愛車を失わないよう、クルマのメンテナンスはしっかりと行うべきだし、車内に無駄なものは放置しないことを意識すべきだ。

Text:山本晋也

提供・WEB CARTOP

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