テントが「寝室」ならタープは「リビング」! プロが指南する「タープ」の賢い選び方

テントと同じようにキャンプの必須アイテム「タープ」。最近は布一枚とポールで設営するヘキサやスクエアなどのオープンタイプが人気。シェルやスクリーンと呼ばれるテント型は目隠し効果とキャンプギアの収納に便利。メリットとデメリットを考えて選びたい

タープはキャンプサイトの「花形」である!

 キャンプ初心者からステップアップをするためのマストアイテムといえば「タープ」である。雨や風、日差しを避けるとともに快適なスペースを提供してくれるタープだが、どのタイプを選ぶかによってキャンプサイトの雰囲気は大きく変わってしまう。

 タープはキャンプサイトの花形と呼ぶべき存在であり、快適性を提供してくれる重要なギアでもある。タープを張ることにより何もなかった平地がリビングへと変わり、「キャンプをしている」という高揚感をもたらしてくれるのだ。

タープ
 
 キャンプ初心者にとって、テント/テーブル/チェアは揃えたがタープには手を出せずにいる……という人も多いのではないだろうか? ここではタイプ別の解説とともにメリットデメリットを考えてみたい。

 

シェルタイプかオープンタイプか特徴を知ることが大切

 タープは大きく分けてふたつのタイプが存在する。まず、オーソドックスなものは一枚のシート(布)をポールで支えるもので、一般的に「タープ」と呼ばれている。そしてふたつ目はシェル構造を持つ「シェルタイプ/スクリーンタープ」と呼ばれるもので、簡単にいえばメッシュ構造やオープンタイプのテントをイメージしてもらえればわかりやすいだろう。

オープンタイプ/シェルタイプのタープ

 どのタイプを選ぶか好みに分かれるところだが、一般的なタープは開放的なスペースが特徴となり、スクリーンタイプは目隠し効果が高いこともあってプライベートな空間を望むキャンパーには向いている。

 

多角形でデザイン性が高い人気の「ヘキサ」

一般的なオープンタイプのタープとして、シートの形状が正方形の「スクエア」、長方形の「レクタ」、六角形の「ヘキサ」の3タイプが存在する(※5角形や8角形などの多角形タープもあるが)。基本的な構造は同じだが、シート形状の違いによって完成後のイメージが大きく変わってくることもあり、デザイン優先で考えるのなら複雑な形状を持つヘキサに軍配が上る。

ヘキサタープ
 
 このヘキサはタープを張った姿がオーストラリアのオペラハウスのように美しく、キャンプサイトを飾るに最適だ。また、複雑なデザインながらも2本のポールと張り綱で構成されることもあり、張りやすいのも大きなメリット。デメリットとしては内部空間に高さが稼げないため、スクエアやレクタよりも快適性は少し劣ってしまう。

 

6本あるポールを使った設営が少し面倒な「スクエア」

 次にベーシックなスクエアはソロキャンプや少人数のキャンプ向き。足の長い6本のポールと張り綱で設営することもあり、タープ内部に高さがあり快適な空間を維持することができる。

スクエアタープ
 
 シンプルなデザインを持つことから、クラシカルなサイト作りを目指すキャンパーに好まれている。デメリットは6本のポールを使用するため、見た目以上に設営に手間がかかること。

 

スクエアよりも余裕がある横長構造で大人数向きの「レクタ」

 基本的な設営はスクエアと同様に6本のポールと張り綱を使用するのは同じだが、長方形のレクタは横長という構造により人数の多いキャンプ向きとなる。

レクタンタープ
 
 スクエアよりも左右に余裕があり、レクタよりも天井までの高さを保持しているので、居住空間の快適性は大きい。高さのあるテーブルやチェアを使い、6人位以上での使用を考えるキャンパーに向いている。

 

目隠し効果やキャンプギアの収納に便利な「シェルタイプ/スクリーンタープ」

 一般的なタープとは異なり、テントのような形状を持つのがシェルタイプ/スクリーンタープだ。解放感はオープンタイプには適わないが、目隠し効果が高いことでプライベートな空間を作りたい人に向いている。

メッシュタープ
 
 サイドパネルがメッシュ構造になっているタイプもあり、虫の多い森のキャンプ場でも快適。荷物の保管庫としても機能する。

 

虫除け効果と快適性を両立する「メッシュタイプ」

 ヘキサやレクタと同様、6本のポールで組み立てるメッシュタイプ。オープンタイプのタープと同等の快適性を持ちながら、サイド面がメッシュ生地で構成されているので“蚊帳”のように使うことができる。メッシュパネルをロールアップすれば通常のオープンタープとしても使用可能。

メッシュタープ

 

サイズ選びは使用するシーンに合わせてチョイスしたい!

 タープを選ぶときには、使用する人数に合わせてチョイスすることが重要だ。タープは“大きければ良い”というものではなく、シートサイズが大きくなるにつれ設営の手間がかかるので注意してほしい。また、自分が使用するキャンプサイトの大きさに合ったタープを選ぶこと。

スクエアタープ
 
 フリーサイトなら問題はないが、区画を指定されたサイトでは面積以上に大きなタープを選んでしまうと使えない可能性もある。タープを購入する場合には設営時のサイズを必ず確認するべし。

Text:並木政孝
提供:Auto Messe Web

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