愛用していたガスランタンも気がつけばLEDランタンに

 これはずいぶん前の写真ですが、ハンターカブでソロキャンプに出るときにリヤボックスに収納した道具一式を広げたところです。登山からの流れで、テントは小さく収納できるツェルト派でした。圧縮していない大きな寝袋や乾電池別体式の豆球ヘッドライトが時代を感じさせます。

 キャンドルランタンは今でも愛用して、やさしい炎に癒されています。写真のガスランタンも味があっていいのですが、メインの照明といえばやはりLEDランタンになってしまいました。

 ガスランタンを使う上での楽しい儀式です。ホヤ(グローブ)を外したら、バーナーの先端に網状の袋になったマントルを被せます。圧電点火の電極先端を網目に通し、球状に整えてからマントルの一部分にライターで着火します。焦げるような燃焼が少しずつマントル全体に伝わり、原型よりひとまわり小さな白いマントルになったら空焼き終了です。きれいな球状に焼き上がるほど喜びが増します。

 灰化したマントルは壊れやすいので、接触しないようにそっとホヤを戻します。着火して温かみのある発光を確認したら完成です。ガスランタンの照明は、状況に応じて照度を自由に調整できるし、灯油ランプにも似たムードがあって好きなのですが、マントルが壊れやすいということが最大の欠点です。

 

そうだ、ガスランタンをガスバーナーに改造しよう

 クルマで移動するのなら壊れることはほとんどありませんでしたが、サスペンションの硬いハンターカブで走行中に、道路のギャップで強く突き上げられたりするたび、頭のなかは「マントルは大丈夫か!?」という心配でいっぱいになります。寝袋や衣類などでランタンを保護していても気が気でありません。実際に移動中にマントルが壊れてしまって、宿泊地でキャンドルランタンの明かりの下で付け替えたことも何度かあります。


 ちょうど照明をLEDランタンに移行したころでしょうか、長年愛用の「コールマン Peak1」もいいけど「ガスバーナー」も使ってみたいと思うようになりました。キャンプ道具は一度買ったら「一生モノ」みたいな感覚でいるので、選ぶのに相当悩みます(楽しい悩み)。たたむと手の平サイズなんていうシングルバーナーも魅力的だし、箱型も捨てがたい。メーカー名もわからないようなものだと驚くほど安く買えたりもします。

 どれにするか決めかねているとき、すっかり出番のなくなったガスランタンを「ガスバーナーに改造してみたら使えるかも」というアイディアが降りてきました。EPIgasランタンというとてもいい素材があるのですから、高性能のガスバーナーに改造できるはずです。

 

まずはカセットガス缶のアダプターを作る

 では自作を始めてみます。まずは、汎用のカセットガス缶のアダプター作りからです。ハメ込み可能なサイズの塩ビ管を数種類用意して輪切りにしたら、真ちゅうのパイプと接着します。ベースとなる鉄板のツメをガス缶にセットできるように折り曲げて、塩ビ管に組み付けます。ガス缶の先端を受ける塩ビ管の内側に溝を設け、Oリングを装着します。ガスが漏れないように接着剤は多めに使い、はみ出した分は円周に沿って塗り伸ばすようにしました。



 次にバーナー側のアダプターを作ります。空になったEPI専用のガス缶からネジ込み部分だけを切り出し、その裏側に加工した真ちゅう板をハンダ付けします。ここでガスホースの取り付け方向を横向きに変換させておきます。



 アダプターとホースをカセットガス缶にセットしたらバケツの水に浸けて、ガス漏れがないかをチェック。カセットガス缶を寝かした状態で使えるように塩ビ板で脚を作り、ガス管側のアダプターを接着します。長いホースでガス缶と分離できるランタンも面白いかもしれませんね。


 

続いてランタンをガスバーナー化

 では、ランタンをバーナーに改造しましょう。まずはバラバラに分解。丸く焼き上げたマントルも使っているうちにしぼんでしまっています。開閉つまみの上にある混合管にピッタリとハマる真ちゅうのパイプを用意。



 バーナーの炎の出る部分は、空になったホルツ・ラストコートのアルミ缶を利用しました。手ごろな大きさです。アルミ缶はカットして先端と底の部分だけを使います。先端部分に先ほどの真ちゅうのパイプが入るようにドリルで加工。アルミ缶の底の円周上にφ1mmの穴を開けます。主役パーツなので、穴を均等に配置して外見重視の仕上げとしました。



 アルミ缶の先端部を底の部分の内側に圧入して合体させます。塗料剥離剤でアルミ缶の塗膜を剥がしたら黒の耐熱塗料で塗装します。真ちゅうのパイプで混合管とバーナーをつないだら、点火装置をセット。



 太さ3mmの針金で折りたたみ式の脚を作りました。火力が少し弱そうなので空き缶を使って、バーナーに風防を付けています。

 

試運転するも、ちょっと火力が弱い?

 4本脚の固定も兼ねた井形のゴトクを載せて試運転です。お湯を沸かして完成祝いのコーヒーでも飲もうと思ったのに、予想以上に火力が弱くて時間がかかりすぎます。工作失敗なのか? と不安がよぎりましたが、調べてみたら原因はガスを吹き出すノズルの穴でした。

 ランタン用のノズルなので、それ相応の極小の穴が開けられていて、開閉つまみを最大火力側に回してもガスの噴射量は出口で制限されてしまいます。ノズルに番号が打ってあるので、取り替えることで火力の調整ができそうです。バイクのキャブレターのジェット類の変更と同じ理屈ですね。


 このノズルのままでもバーナーとして使用できるように改良してみましょう。ノズルの穴にぴったりサイズのワイヤーを用意して穴に通したら、荒目のコンパウンドを塗り、ノズルを上下にスライドさせながら穴を磨き広げます。気体の流通路なので、ワイヤーとの感触が少し緩くなったなと感じるくらいの拡張で十分です。分解ついでに開閉つまみ先端のOリングやニードルの点検をしてから組み立てました。結果は上々、写真のようにパワフルな火力のバーナーに進化させることができました。

 

完成! 今やなくてはならない必携品に

 コッヘルのなかに楽々収納できるコンパクトさです。作業時間がかかったので、完成祝いはコーヒーからお昼の外ラーメンに変更しました。Peak1ストーブほどではないけど、必要十分の火力があって普通に調理できました。


 外で作るインスタントラーメンって、具なしでもなぜか美味しいですね。ガスバーナーにはその後さらに改良を加えています。青いパンチカーペット生地で箱型のケースを作り、ひとまとめに収納できるようにしました。


 ケースに収まる大きさの厚ベニヤを土台として、その上にバーナーとカセットボンベなどを構築する仕組みに変更しています。こうすることで安定がよくなり、調理中でもコンロ全体の位置変更が可能になります。持ちやすくするためにベニヤ板の左右には小さなアルミのグリップを付け、迷彩色にペイントを施しました。バーナーの炎の出る穴も中心部に追加して火力を増強しています。


 最近ではこのガスバーナーがメインで活躍して、たまに気が向いたらPeak1を連れ出すということが多くなっています。もうすっかり主役です。迷彩パターンと青いパンチカーペットを見ると、「マー坊にキャンプキャビン」を自作したころに、おそろいで仕上げたことが思い出されます。

TEXT:阿部忠雄
提供:Auto Messe Web

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