5億円に迫る勢いで爆騰中のフェラーリF50!その中身は乗り心地度外視の「公道を走るF1」だった

フェラーリが自身の創立50周年を記念するモデルとして1995年に限定349台で発売したF50。F1由来の最新技術をふんだんに盛り込んだF50は、F1マシンにもっとも近いスペチアーレといわれるが、そんなF50の価値が、近年爆騰中だ。その理由を解説する。

F40に続く50周年記念モデルはまさに公道のF1マシンだった

 フェラーリが、あのF40に続く創立50周年のアニバーサリーモデルとして、F50を発表したのは1995年のジュネーブ・ショーでのことだった。F40が1987年にデビューしたことからも分かるように、正確にはフェラーリの創立50周年は1997年でなければならないはずなのだが、フェラーリは349台の限定とされたF50の最後の1台を1997年にデリバリーすると説明。とはいえ、それはあくまでも表向きの理由であり、実際にはヨーロッパで1998年に導入が予定されていた新基準のエミッションコントロールを意識しての生産計画だった。



 

 

 この原稿を書くために、当時ジュネーブ・ショーで配布されたプレスリリースをもう一度読みかえす。もっとも興味深かったのは、その冒頭にあるコメントで、そこには「F50はF1マシンが進化する中で、レーシング・フェラーリのステアリングを握る機会を失ってしまったカスタマーのために、その感動を再び経験できるようにすることを決断した結果の、フェラーリからの回答である」という一文があった。この言葉こそが、F50のコンセプトのすべてであり、ここ最近のオークション・シーンにおけるF50人気の大きな理由であると考えてよいだろう。

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