意外にもキャンプに向いている! 見た目とは裏腹に収納力たっぷりの「着痩せ」コンパクトカー6選

コンパクトカーでも、アウトドアやキャンプに向いている意外なほどの荷物の積載性を誇るクルマがある。乗員は2~3名に限定され、後席をすべて、あるいは片側を格納するのが前提だが、驚くほどの荷物が積める意外性のあるコンパクトカーを紹介しよう。

キャンプにも向いているコンパクトカーとは

 普段使いにちょうどいいコンパクトカーでも、じつはアウトドアやキャンプに向いている、意外なほどの荷物の積載性を誇るクルマがある。もちろん乗員は2~3名に限定され、後席をすべて、あるいは片側を格納するのが前提。だが、パッケージングの妙から驚くほどの荷物が積めたりするのである。そんな意外性のあるコンパクトカーを紹介しよう。

 

小さくても大容量ラゲッジを持つ「ホンダ・フィット」

 小さくても大容量のラゲッジスペースを実現しているのが、意外にもホンダ・フィットだ。
 


 ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによって、燃料タンクを前席下に配置。これにより、車体後方の床下スペースに余裕ができ、また、気の利いたシートアレンジ性によっても、5ナンバーサイズのハッチバックモデルからは想像もできない大容量の荷物収納スペースが出現するのである。

 具体的には、後席使用時のラゲッジスペースは奥行き600~660mm、幅1010mm、最低天井高650mm。そして後席の片側、または両側をフラットに格納することで、奥行きはフロア部分だけでも1350mmに達する。後席はセンタータンクレイアウトの恩恵で低く、沈み込ませるように格納できるため、格納した後席部分の天井高は840mmにもなるから驚きだ。 
 


 さらに言えば、荷物はバックドア側からはもちろん、大きく開くリヤドア側からも出し入れしやすい。何と言ってもバックドア側のラゲッジルームの地上高が590mm、リヤドアからの拡大したラゲッジルームの地上高は600mmと、どちらもごく低く(世界のステーションワゴンのラゲッジルームのフロア地上高の平均値は620mmだ)、重い荷物の出し入れ性も抜群なのである(上記の地上高はすべて標準車)。しかも、SUVテイストあるクロスターも用意されているから、完璧である。

 

ちょっとした引っ越しも可能な「スズキ・ソリオ」

 子育て世代からシニアにもぴったりなコンパクトカーとして、誰にでも薦められる1台がスズキ・ソリオ。乗り心地や静かさなども大きな魅力となるのだが、やはり両側スライドドアを持つハイトワゴン系モデルというところがお・い・し・い。5ナンバーサイズでも高さがあるため、同じコンパクトカークラスでも荷物の積載性はさらに上ということになる。 
 


 ラゲッジスペースは開口部地上高660mm、奥行き440mm、幅1030mmと、後席使用時でも幅方向に余裕があり、天井高は1020mmに達する。奥行きがないぶん、高さ方向の積載力で勝負するということだ。だが、2~3名乗車だとすれば、後席格納によって奥行はフロア部分で1120mm、前席の背後までとすれば1500mm以上となる。まさに小さな引っ越しができるほどの大容量のラゲッジスペースに拡大できるのだ。 

 しかもラゲッジスペースの床下には深さ310mm、幅590mm、奥行き550mmものサブトランクが備わり、転がりやすいものや汚れものなどを、床上のラゲッジスペースと分けられるのも大きな魅力。また、後席格納時のフロアがほぼフラットになる点と、後席165mmのスライド機構によって、ラゲッジスペースの奥行きを変えることができるあたりも使い勝手の良さに直結する。

 

ミニバンの3列目をラゲッジにした「ホンダ・フリード+」と「トヨタ・シエンタFUNBASE」

 5ナンバーサイズの扱いやすいクルマのなかでも、後席を使った状態であろうとラゲッジスペースに十二分な容量があり、後席を格納すれば車中泊も容易な、まさにミラクルなパッケージ、室内&ラゲッジスペース空間を持つ1台がホンダ・フリード+とトヨタ・シエンタFUNBASEだ。両者ともに3列シートのコンパクトミニバン、フリードとシエンタの3列目席を取り払った、言ってみれば大容量コンパクトワゴン。
 


 フリード+のラゲッジルームは開口部地上高335~720mm(後者はラゲッジボード上段セット時)、奥行き1035mm、幅1270mm(ラゲッジボード上段)、天井高975~1360mmと、後席を使った状態でもアウトドア、キャンプの荷物を余裕で飲み込むラゲッジスペースの容量がある。ラゲッジボードによってラゲッジスペースを上下に分け、さらに後席を格納すればフロアの奥行は1360mmにも達し、お座敷のように寛ぐことさえできるのだからすごい。 
 

 
 シエンタFUNBASEはといえば、ラゲッジルームの開口部地上高530~610mm(後者はハイデッキ状態)、奥行き935mm、幅1060mm、天井高930~1100mmという広々としたラゲッジスペースを備えている。
 


 後席背もたれをサッと倒すだけで、ラゲッジスペースの奥行は1620mmにも達するのだから、広大だ。今ではカタログにない「グランパー」という、アウトドアテイストあるグレードを中古車で探すのもいいだろう。
 
 

 

中古車の「フリード・スパイク」と「フィット・シャトル」もオススメ

 では、予算少々で手に入る中古車まで視野に入れればどうだろう。ここではホンダ車に注目だ。まずは現在のフリード+の先祖!? とも言える2016年9月まで販売されていたフリード・スパイクだ。
 


  10年近く前の中古車になってしまうが、ハイブリッドでも余裕で100万円以下のクルマが探せるのだ。ラゲッジスペースはガレージをイメージしていて、左右の収納など、気が利いている。ラゲッジスペースの容量、寸法は現在のフリード+に準じているから、荷物の積載力も心配なしである。 
 


 もう1台は同じくホンダのフィット・シャトル。今ではホンダシャトルとして販売されている、5ナンバーサイズのコンパクトワゴンである。
 


 ラゲッジスペースは開口部地上高540mm、奥行き985mm、幅970~1285mm、天井高960mmと、5ナンバーサイズのワゴンとしては最大級の広さを誇る。後席を完全にフラットに倒せば、奥行きは1810mmに達し、身長180cmの人でも真っすぐに寝ることができるほど広大だ。 
 


 ハイブリッドモデルでも床下に深さ225mm、奥行き最大240mm、幅545mmの収納があるから使いやすい。こちらは当時大人気だったハイブリッドでも50万円前後から手に入るから嬉しい。クロスオーバーSUVのような、アウトドアに似合いすぎる雰囲気こそ持ってはいないものの、荷物の積載性に特化して選ぶなら大正解の1台だろう。

Text:青山尚暉 
提供:Auto Messe Web

【関連リンク】
ダッシュボードに固定していても「違反」の場合も! 意外と知らない車載用『スマホホルダー』の正しい使い方
昔はOKだったけど今はNG! 意外と知られていない「キャンプ場でのマナー違反5選」
タープの「カンガルー張り」とは何か?「冬キャンプ」を快適に過ごすための「必須テクニック」
「薪の未消火」「夜中のアイドリング」「ペットの放し飼い」! 流行にいま増えつつあるキャンプの「マナー違反」18例
「たき火ができない」「ライターが使えない」! 冬キャンプで初心者が陥りがちな「罠」7つ
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『オッペンハイマー』を見る前に知ってほしい6つのこと。2つの用語、時系列、モノクロシーンの意味は?

  • どうする学校?どうなの保護者?

    なぜPTAで子どもの保険を扱うのか? 2024春、東京都Pが“別組織”で保険事業を始める理由

  • AIに負けない子の育て方

    2024年の中学入試は「弱気受験」だったというが…受験者増の人気校に見る、中受親の変化

  • アラサーが考える恋愛とお金

    仕事×子育てを両立できるのは「ごく一部の恵まれている女性」か。女性の社会進出という“風潮”が苦しい