日本の2大スーパースポーツが真逆の事態! NSXは終わるのにGT-Rが存続できるワケ

ホンダNSXは2022年での販売終了が予定されており、モデルライフわずか6年という短命なモデルとなってしまった。その一方で、日産GT-Rは14年販売を継続している。2000万円超と1000万円超と価格差こそあるが、どうして2台にはこのような差が生まれたのか。

NSXとGT-Rでは土俵が決定的に異なる

 ホンダNSXの終了が予定される一方、日産GT-Rはなぜ存続できるのか。もちろん背景に自動車メーカーの都合という側面がそれぞれあるだろう。しかし、NSXとGT-Rを同じ指標で考えようとすることに、わかりにくさを生じさせるのだと思う。



 

 

 NSXはスポーツカーだ。GT-Rは、その名のとおりGTカーであり、GTとはグランド・ツーリングの意味である。

 英語のスポーツには、娯楽の意味があり、楽しむことをさす。いわゆる運動するというスポーツだけを意味するのではない。

 そこから、スポーツカーとは、運転を楽しむためのクルマであることがわかる。運転を楽しむことを極めるため、ふたり乗りが基本であり、NSXのように俊敏さを高めるためミッドシップを採用することもある。もちろん、フロントエンジン・リヤドライブのFRスポーツカーもある。日産フェアレディZやマツダ・ロードスターがそれに該当する。

 余談だが、人気のSUV(スポーツ多目的車)のスポーツも娯楽をさしており、遊びに行くために便利な車種という意味だ。

 一方、GT-Rの基本はグランド・ツーリング、すなわち旅を楽しむためのクルマであり、その高性能仕様がGT-Rというわけだ。



 

 

 現行GT-Rが開発される際、「時速300kmで普通に会話のできるクルマを目指した」と、責任者の水野和敏さんは語っている。もしスポーツカーであるなら、車内で会話を楽しめなくても差し支えないだろう。それより運転に集中させることの方が重要だ。

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