スーパーカーの王「カウンタック」が最新モデルで復活! 世界で「112台」だけの「LPI800-4」の中身とは

スーパーカーファンにとって、2021年夏の関心ごとは、限定モデルとして突如登場したカウンタックLPI800-4の1点に集中した。初代とうりふたつのウエッジシェイプボディをまとい、800馬力超のハイブリッドシステムを搭載。まさにカウンタックと呼ぶに相応しい。

最高出力800馬力超のHEVでカウンタック復活

 スーパーカーのファンにとって、今年の夏のもっとも大きな話題といえば、それはモントレー・カー・ウイークの始まりを告げる、ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリングでワールドプレミアされた、ランボルギーニの「カウンタックLPI800-4」ではなかっただろうか。


 

 そのプレスリリースの中には、長年我々を悩ませてきた「Countach」の発音が「Coon-Tach」であることも明確に表記されていたが、1970年代のスーパーカーブームで「カウンタック」の存在を知り、以来それを究極のスーパーカーだと(もちろん単純な性能の比較等によるものではない)意識してきた筆者にとっては、今日からそのクルマは「クーンタッチです」と言われても、感じるのは違和感のみである。したがってここでは今までどおり、日本流に「カウンタック」の表記を用いさせていただくことにしよう。

 カウンタックLPI800-4は、残念ながらプロダクションモデルではなく、生産数は112台に限られた限定車だ。112台という数字は、初代カウンタックの開発時に与えられた社内型式がLP112であったことに由来するもの。ちなみにそのLとはエンジンの縦置き搭載、Pはリヤミッドシップを意味している。



 

 

 

前身となったミウラが、長大なV型12気筒エンジンを横置きミッドシップしたために、コーナリング時の安定性や熱、あるいは騒音などさまざまなハンデを背負うことになったため、カウンタックのチーフエンジニア、パオロ・スタンツァーニは、V型12気筒エンジンと5速MTからなるパワーユニットを、後方からキャビンの位置までインストールするという独自の手法で縦置きミッドシップを実現したのだ。

 一方、L112のデザインは、当時ベルトーネのチーフスタイリストの職にあった、鬼才マルッチェロ・ガンディーニの作である。その強いウエッジシェイプは、見る者の目を釘付けにし、誰の目にもそれは斬新な、未来を予感させるスタイルに映った。クーンタッチ(カウンタック)とは、イタリアのピエモンテ地方で使われるという感嘆詞。日本語に訳せば「なんだこれ」的な意味を持つ言葉だというが、確かにそれを最初に見たものがそう叫んだとしても、それは不自然なことではないだろう。


 

 

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