【図版あり】1人暮らし大学生への仕送り額はどのくらい必要?令和最新版の調査結果

大学を下宿や寮などから通学する場合、生活費を仕送りする必要があります。どれくらい用意しておけばいいのでしょうか。今回は「教育費負担の実態調査結果」から、大学進学における仕送りをしている額や各世帯に聞いた教育の捻出方法を紹介します。

大学入学を機に自宅外から通学する人に発生する費用

文部科学省が実施した調査「学校基本調査」によれば、2020年度の短大・大学の進学率は過去最高の58.6%になりました。大学入学を機に自宅を離れ、一人暮らしをするという人も多いのではないでしょうか。

仮に大学を自宅外(下宿や寮など)から通学する場合、学費のほかに、別途生活費を仕送りする必要があります。いったいどれくらい用意しておけばいいのでしょうか。

そこで、今回は日本政策金融公庫が実施した調査「令和2年度 教育費負担の実態調査結果」から、大学進学における仕送りをしている額や各世帯に聞いた教育の捻出方法を紹介します。
 

自宅外通学者への仕送りは平均年間90万円 生活の準備費用は平均36万円

まず、全国の自宅外通勤者の割合を確認します。下のグラフは、自宅外通学者がいる世帯の割合を示したものです。

 


グラフによると「自宅外通学者がいない(0人)」が72.6%を占めています。続いて「1人」が多く、22.9%となっており、全世帯の約25%が自宅外通学者であることがわかります。

続いて、自宅外通学者への仕送り額を確認します。
 


 

最も多いのは、「50万以上100万円未満」となっており、34.4%、3人に1人は、年間50万以上100万円未満の仕送りで生活していることがわかります。全体の平均は90.3万円という結果になりました。

次に、新しい生活を始めるために必要な費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)の割合を確認します。

 


 

最も多いのは「25万円未満」で34.5%、続いて「25万円以上50万円未満」で30%という結果になりました。全体の平均費用は39.3万円となっています。
 

教育費の捻出は「節約」が1位

これらの教育費を、いかにして捻出しているのでしょうか。次に示すのは、教育費の年収つ方法について3つまでの複数回答で答えてもらった結果を整理したものです。



もっとも多いのは、教育費以外の支出を削った「節約」で令和2年度は29.5%という結果になりました。続いて多いのは「子ども(在学者本人)がアルバイトをしている」で20.4%でした。自宅外通学者の5人に1人は教育費捻出のためにアルバイトをしていることがわかります。

続いて、最も多かった「節約」において、どの支出を節約しているのか確認します。



多くの世帯が節約する項目として挙げた上位3つは、下記となりました。

〇節約している支出

  • 外食費 62.5%
  • 旅行・レジャー費 62.3%
  • 衣類の購入費 41.6%
     

以上、今回は、大学の自宅外通学者に焦点をしぼり、仕送り額や生活を始める準備費用の平均、教育費の捻出方法について紹介しました。
 

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