増える「こじらせ小舅」トラブル…37歳の義弟が小遣いをせびる違和感

近年では独身をこじらせ実家に寄生する「小舅(こじゅうと)」にからむトラブルが増加中。その頑固さから話が通じないことが多く、対処が難しいことも多いようです。

何かと話題にあがる「嫁 VS 姑」や「嫁 VS 小姑」トラブル。女性同士ということもあり、ちょっとしたすれ違いからもめごとを起こすことが多いものですが、言いたいことを言い合うことで互いのストレス発散になっていることも。しかし、近年では独身をこじらせて実家に寄生する「小舅(こじゅうと)」を取り巻くトラブルが増加中。男性特有の頑固さから話が通じないことが多く、対処が難しいことも多いようです。

調子が良すぎる義弟にイライラ

埼玉県在住の利都子さん(仮名・36歳)は今年の春、40歳になるご主人の転勤に合わせ、ご主人の実家の近くに引っ越しました。それまでは飛行機で移動する距離だったので、義実家とは付かず離れずのほどよい距離を保ってきましたが、ここ最近、ご主人の弟の態度にイライラすることが増えているといいます。
 

「義弟は37歳独身で、義実家で暮らしています。すごく調子がいいタイプで、初めて会ったときから苦手意識を持っていました。義姉、夫、義弟の3兄弟のためか、彼にとっては兄である夫に甘えるのがとにかくうまくて。私と夫が結婚した後も、夫が義弟に何かとお小遣いを渡していたことは知っていたんです。
 

子どもが生まれるまでは私も働いていたので問題なかったのですが、育児に専念するため専業主婦になり、夫の給料で義弟のお小遣いまで賄うのは難しくなったんですよ。それなのに、何かと『お小遣いちょうだい』ってお金をせびってきて……夫が『妻に怒られるから、もうお小遣いは渡せない』って言ってしまったらしく、以来、義弟は私に対して敵意を持ったような気がします」
 

それでも離れた場所に住んでいたので、これまで被害を受けることはなく済んでいたという利都子さん。しかし、コロナによる自粛が本格的になり、子どもたちの学校が休校になったある日、ついに義弟が問題を起こしました。
 

「義弟がふらっと我が家を訪れ、珍しく『勉強見てやるよ!』と子どもに話しかけていました。義弟は塾講師をしていて教えるのは上手だと聞いていたので、いつも夕食をごちそうしてるんだし、たまにはこれくらいしてもらってもいいよね?と思って、そのまま放っておいたんです。しばらくすると義弟が居間に来て『はい、勉強終わりー。えーと、トータル3時間ね。俺、時給5000円もらってるから本当は1万5000円もらうとこだけど、身内割りってことで1万円でいいや。兄貴、1万円ちょうだい』って……もう、唖然としてしまいました」
 

結局、ご主人が義弟に言われるがままに1万円を渡してしまい、利都子さんはさらに茫然自失。しばらくして我に返ると、さすがに夕食まで義弟にごちそうする気が失せていたので、早々に義弟を追い返しました。
 

「義弟が帰り際に『また教えてあげる! いつがいい?』と子どもに聞くので、『結構です』とだけ返したら、家の外にまで聞こえるような大きな声で『うわっ、義姉さん、マジこえぇぇぇぇぇ』って……。その瞬間、髪の毛の先まで怒りで震えるのが分かりました。夫に『さっきの1万円はあなたのお小遣いから出してね。今後も同じことをするのであれば、すべてあなたのお小遣いから出してね』と言ったら『そんなのひどい!』って騒いでましたけど、さすがに反省したようです。ただ……その後も義弟が、あの手この手でお金を出させようとしてくるのが厄介で……」
 

義兄弟に関する悩みは、女性だけじゃなかった

愛知県在住の俊樹さん(35歳)は、この春に結婚したばかりの新婚サラリーマン。優しく愛らしい奥様(27歳)との生活が始まり、コロナ禍でも順風満帆……と思っていた矢先、義兄の対処に悩む日々を送るハメになってしまいました。
 

相手は義理の兄とはいえ、俊樹さんより4歳年下。あまり厳しく言うのも……と思い、きつく文句を言うことなく過ごしてしまったことが、義兄を増長させる原因になったのでは?と、今は反省しきりなのだとか。
 

「結婚するまで知らなかったのですが、義兄はとんでもないシスコン男でした。僕と妻が結婚してからというもの、月に最低でも5回、多い時には数十回、我が家に泊まりに来るんです。はじめのうちこそ、妹が結婚して寂しくなったのだろうと思っていたのですが、ひどいときには月の半分以上我が家に泊まっているので、さすがにおかしいんじゃないか?と思い、妻に『ずっと義兄さんがいるから家でくつろぐことができない。義兄さんに、もう少し遠慮してもらうよう言ってほしい』とお願いしました」
 

奥様のほうも、自分の兄とはいえ、さすがにこんなに頻繁に泊まりにくるのはおかしいだろうと感じていたらしく、「せめて月に1回程度にしてほしい」と義兄に伝えたそうです。しかし義兄は奥様の言葉に耳を貸す様子はなく、その後も悪びれもせず家を訪れ、入り浸るようにして泊まっていくのだとか。
 

「妻の実家は我が家から車で20分もかからない場所にあります。しかも、義実家のほうが義兄の職場に近いので、わざわざ我が家に泊まりにくる意味が分からないんです。腹立たしいことに、義兄は僕が話しかけても上の空状態で、基本的には妻としか話をしないんです。妻が言うには、義兄はかなりのコミュ症で彼女がいたこともなく、気を遣わずに話をすることができる相手が妻だけしかいないのでは?とのこと。そのことについては同情しますが、だからといって、いつまでもこんな状態を続けるわけにもいきません。会社にかけあい、地方都市への転勤を願い出ている最中です」
 

こすっからい義弟も、シスコン義兄も、妻・夫から見れば、ただ迷惑なだけの赤の他人。他人である以上互いに気を遣い合うことがマナーなのですが……さらなるトラブルを生む前に、義兄弟から物理的に距離を置く必要があるかもしれません。

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