連続ドラマもイレギュラーなカタチで進行している2020年だが、10月は新ドラマのスタートが続き楽しみだ。22時以降の大人時間の方が、新しい試みに対する熱量を感じる作品が多いことも興味深い。視聴率を意識しつつも、決して守りに入っていないテレビドラマの新しい風を感じながら、秋の夜長をぜひ楽しんでほしい。
 

Lの一族のショータイムがはじまる!
『ルパンの娘』第2シリーズ(木曜夜10時/フジテレビ系)10月15日スタート

「悔い改めな!」の決め台詞がクール!
画像は2019年版『ルパンの娘』Amazonより

2019年の話題作『ルパンの娘』がかえってくる。華麗な変装にまさかの仕掛け、歌あり踊りありのエンターテインメントを徳永友一の脚本が涙と笑いで盛り上げている。新婚生活を送る泥棒一家・Lの一族の娘・華(深田恭子)と刑事の和馬(瀬戸康史)には、さらなる難問が襲い掛かりそうな第2シーズン。名探偵一家の娘・北条三雲(橋本環奈)の登場で、さらに物語は盛り上がりそうだ。もちろん、歌に踊りに視聴者を魅了した円城寺(大貫勇輔)も私たちを魅了してくれるはず。

Theme de la fille de Lupinのメロディーが聴こえたら指を鳴らして、ショータイムを堪能したい。
 

スリル×裏切り×人間ドラマ 金曜日の深夜が濃厚になる
『24 JAPAN』(金曜夜11時15分/テレビ朝日系)10月9日スタート

オリジナルは日本でも大人気となった『24 -TWENTY FOUR- 』
画像はAmazonより

24時間をリアルタイムで追う『24JAPAN』は1話で1時間を描く全24話の物語。オリジナルは大人気となったアメリカの『24 -TWENTY FOUR-』だ。いつの時代もリメイク版の難しさを指摘されるが、今回は放送時間が深夜であること、ひと癖もふた癖もある謎めいた人物やテロ対策ユニットを、実力派の個性派俳優陣が贅沢に演じることからも期待ができる。

クライムサスペンスの緊張感、胸に響く濃厚な人間ドラマ、熟練の豊かなエンターテインメントで視聴者を魅了する唐沢寿明が演じる主人公・獅堂現馬の活躍も楽しみだ。日本初の女性総理(仲間由紀恵)が誕生しようとする選挙当日に起こるテロとの闘いとなる24時間が、いよいよスタートする。
 

2020年ならではの恋愛模様はちょっとおかしい
『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(水曜夜10時/日本テレビ系)10月14日スタート

水橋文美江の脚本はちょっとしんどい毎日を前向きにしてくれそうだ​​​​​

株式会社鐘木パルプコーポレーションを舞台に、波留が演じる産業医の大桜美々がオンラインで知り合った相手に恋をする『#リモラブ』。今という時代のありようが繊細に丁寧に映し出され、私たちは「わかる!」を連発しながらも、見ないふりをしている自分の想いに触れ、前を向かせてくれる物語になりそうだ。

彼女を取り巻くクセありワケありの社員を演じるのは、松下洸平、間宮祥太朗、渡辺大、及川光博といった、今気になる俳優ばかり。おもしろくないはずがない。週の真ん中の水曜日、疲れた夜に肩のチカラを抜いてクスクスしながらキュンキュンできる『#リモラブ』で、明日への活力をチャージしてほしい。
 

現実と偽りが交差する万城目ワールドがテレビに参上
『バベル九朔』(月曜深夜24時59分/日本テレビ系)10月19日スタート

複雑な世界観となった問題作『バベル九朔』
画像はAmazonより

映画『プリンセス トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』といった壮大なスケールが魅力の万城目学の作品の映像化に好奇心が止まらない。偽りと現実がどう立体化するのか、怪物”くらまし”やカラス女がどう描かれるのか、ワクワクしている。

5階建ての古い雑居ビル・バベル九朔のなかに存在する現実の世界と偽りの世界の謎に迫るのは、脚本家志望の主人公・九朔満大(菊池風磨)。ビルの管理人として、居心地のいい偽りの世界に迷い込んだビルの住人たちを現実の世界へ引き戻そうと奔放するスペクタクルだ。難度の高い複雑な世界観を、若い演技の新鮮なフィルターを通して見えてくる”何か”がありそうで、期待したい。

共演NGの面々と振り回されるスタッフたちの悲喜こもごもに大笑い
『共演NG』(月曜夜10時/テレビ東京系)10月26日スタート

​​​​画像はAmazonより、主演の2人の共演作である「short cut」

大型連続ドラマ『殺したいほど愛してる』のキャストに抜擢されたのは25年間共演NGだった遠山英二(中井貴一)と大園瞳(鈴木京香)。それだけでフッと笑いそうになるが、現場は2人以外にも共演NGが入り乱れ、それに振り回されるひと達のあたふたぶりで、さらに大笑いできそうだ。

大人が演じる極上のコメディは中井貴一と鈴木京香が夫婦を演じたWOWOWの三谷幸喜作品『short cut』でも堪能したが、その2人が演じるのだからセンスがいいに決まっている。原作は秋元康、監督は大根仁。斎藤工、山口紗弥加、リリー・フランキー、橋本じゅんら俳優陣の強烈な個性が放たれる瞬間を目撃せよ。
 

刑事ドラマや医療ドラマに注目が集まりやすい連続ドラマだが、この秋はリアリティーよりも、ドラマこその楽しさをシンプルに堪能できる作品が非常に気になる。

もちろん『相棒』『科捜研の女』『姉ちゃんの恋人』『七人の秘書』『危険なビーナス』といった王道ドラマも見逃せない。