「付き合っているときは、そんな人とは思いもしなかった」――結婚に失敗したと感じる人が、よく言う言葉のひとつです。
 

自分自身は吟味に吟味を重ねて結婚にこぎつけたつもりでも、結婚して、共に暮らし始めるなかで気づくことって、たくさんありますよね。今回取材させていただいた女性も、結婚後に露わになったご主人の性格に辟易し、離婚を真剣に考えているといいます。

交際中は、“ごく普通の人”に見えた

「とても明るくて、話し上手で、たくさんの友人に囲まれている人――これが、主人と初めて出会ったときの感想でした」
 

山梨県在住の鈴木桂花さん(仮名・28歳)は、そう話を切り出しました。
 

「顔はまぁ普通、かな。出会ったのは私が大学生のとき。主人はすでに地元の中堅企業に勤めていました。私の兄が当時主人と同じ会社に在籍していたのですが、兄に頼まれてその会社が主催する地元の祭にヘルプで行ったのが出会いのきっかけでした。笑顔が優しい人で、祭の最中も自分から一生懸命動いて仕切ってくれる感じで、頼りがいがあるなぁって、そう思ったんです。その後、主人のほうから遊びに行かないか?と誘ってくれて、ランチに行ったり映画に行ったりするうちに付き合うことに。私が大学を卒業し、3年ほど会社に勤めて仕事にも慣れた頃、結婚することになりました」
 

付き合っているときには、ご主人の“本当の性格”にまったく気づかなかったという桂花さん。
 

「結婚して分かったことなのですが、うちの主人、ものすごいケチというか……セコイ人だったんです!」
 

桂花さんがまだ女子大生だった頃、デートのお金は基本的にご主人が出してくれていました。桂花さんが社会人になると、デート代の半額を請求されるようになりましたが、大学卒業までの1年あまり、ずっとご主人におごってもらっていた桂花さんは、快く折半したといいます。
 

結婚式の費用や新婚旅行の代金は、きれいに両家で折半。桂花さんの希望でドレスをランクアップしましたが、その金額は桂花さん自身が支払ったといいます。
 

「基本的に、男女平等にしたい人なのかな?って。そう思っていたんです。でも違いました。単純に、お金を使うのが嫌いというか……自分のお金を出すことが、イヤでイヤで仕方ない人だったみたいで……」
 

結婚後、露わになる呆れた“本性”

「結婚式を終え、新居に暮らし始めて1週間。初めて主人と一緒に近所のスーパーに買い物に行ったんです。結婚前の話し合いで生活費は折半することに決めたので、生活費用のお財布を持って出かけました。
 

主人は、スーパーに着くなり野菜の安売りコーナーへ。そこで、傷みかけて半額くらいまで安くなった野菜を入念にチェックしてはカゴに入れていきます。続く肉売り場でも、お菓子売り場でも、乳製品売り場でも、主人が手に取るのは30%OFFや半額のシールが付いたものばかり。『俺、節約するの好きなんだよね~』なんて言いながら慣れた手つきでカゴに入れていくので、思わず私も『節約って大事だよね!』と共感していたのですが……」
 

それからしばらくしたある日のこと。どうしてもスナック菓子が食べたくなった桂花さんは、仕事帰りにコンビニに寄り、好みのポテチを1袋、買って帰ったといいます。すると、それを知ったご主人が超絶不機嫌モードに。
 

「夜、一緒にDVDを観ることになっていたので、飲み物を準備し、ポテチをお皿に盛って居間に持っていきました。半分こしようね!って言いながら差し出すと、夫が『何これ。俺知らないんだけど。いつ買ったの?』というので、今日の仕事帰りにコンビニで買ってきたんだよと返すと、夫は驚くほど不機嫌な声で言いました。
 

『コンビニ? それって定価ってこと? 定価で買うなんてバカすぎるだろ。こういうスナック菓子は、毎週金曜日の夕方以降、近所のスーパーで特売になるのに。こんな無駄遣いをするなんて、おまえは正真正銘のバカか?』って。続けて主人はこうも言いました。『自分が稼いだお金だから勝手に使っていいなんて思ってるんじゃないだろうな。結婚した以上は夫婦が稼いだお金は共同のもの。おまえが無駄遣いをするということは、俺の金を無駄にされることと一緒なんだ。二度と、俺に黙って買い物なんかするな。どうしても欲しいものがあったら必ず相談しろ』って」
 

以後、買い物をする際はご主人にひとつひとつお伺いをたて、許可が出たものだけを買うようにしているという桂花さん。
 

「『子どもは3人つくろう。そのために、早く家を建てよう』主人はいつも、口癖のように言っていました。だから当初は、そのために節約だと思っていたんです。でも、そうじゃなかった、単純に自分が出費するのが嫌なだけだったんです。
 

私の両親が遊びに来て、近所のレストランに行ったときも、メニューをひと通り見た後、夫はいちばん安いチキンステーキを指さし『俺はこれにする。おまえもこれでいいだろ?』って、小声で私に聞いてきました。
 

そこで父が『今日はなんでも好きなものを食べなさい。私がごちそうするから』と言ったんです。途端に主人はすごい晴れやかな笑顔で『じゃぁ、僕はこのサーロインステーキのセットで。あ、肉は400gに増量でお願いします』って……店でいちばん高いメニューをオーダーしたんです。
 

父に対して恥ずかしくて申し訳なくて、私はそのままチキンステーキを頼んだのですが、夫は家に戻るやいなや不機嫌モード全開。『せっかくお義父さんがごちそうしてくれるというのに、なんでわざわざ安いものを頼むんだよ。もったいないだろ』って……そう言われたときに、ああ、もうダメだ。この人とはやっていけないって。強く感じました」
 

節約とケチは、まったく別モノ

「ただ節約しているだけの人だったら、離婚したいとまでは思わなかった。主人の実態はただセコいだけのケチ野郎で、他人のお金はとことん利用してやろう、そういう考えが見えてしまったことが決定打でした。私と結婚したのも、学生時代から教育すれば、自分の思う通りの妻になるとでも思ったんじゃないですかね……」
 

目じりにうっすら涙を浮かべながら、桂花さんは言葉を続けました。
 

「主人と同じように仕事をして、家事もしているのに、スナック菓子のひとつも自由に買えない生活なんて、もううんざり。安く買った野菜や肉だって、結局、使いきれずに腐ってしまい、半分は捨てることになっているんです。そのほうがよほどもったいないのに、主人が理解できるのは、自分がいくら得したか損したか、それだけなんです。『石の上にも3年よ』と母に言われて3年は我慢しましたが、もう無理です。早く離婚できる日を、今はひたすら夢みています」
 

お金を大切にすることは必要なことですが、損得勘定でセコい行動をするのは、人としていただけないもの。桂花さんのご主人の失敗点は、自分が損をしないようにとそればかりを考えてしまい、人の心まで思いやらなかったことでしょう。
 

桂花さんの中で離婚は決定事項になっているようですが、ここまでセコケチなご主人とすんなり離婚できる日は……果たしてくるのでしょうか。