2018年春ドラマの注目は、「刑事ドラマ」と「働くドラマ」!

2018年の春ドラマがはじまりました。話題作が多い中、やっぱり観たい刑事ドラマと新しい視点が刺激的な仕事ドラマに注目してみました。

安定感のある「刑事ドラマ」&視野が広がる「働くドラマ」に注目!

いよいよ春のドラマがスタートしました。出そろうのはまだ先ですが、刑事ドラマの安定感と、働くドラマの新しさに注目しながら、今クールの注目作品を紹介したいと思います。
 

今期注目の刑事ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』

坂口健太郎が初主演する連続ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(火曜夜9時/フジテレビ系)は韓国ドラマのリメイク。過去との交信や刑事・三枝健人(坂口健太郎)のプロファイリングが長期未解決事件を解決へと導く物語です。
 

『嘘の戦争』『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』など骨太なドラマ作りを続けてきた「カンテレ」のノウハウが見事に生きた『シグナル』。犯人との心理戦、プロファイリング、組織の闇や過去の謎など、見せ場を複層的につくりながら、登場人物一人ひとりを丁寧に、厚みをもって掘り下げ、さらに、音、光、時間をコントロールしながらグイグイと視聴者を引き込んでいくカンテレ・マジックが随所に光ります。
 

静かな激烈を見せた2016年の『ドラマスペシャル 宮部みゆきサスペンス 模倣犯』から、さらに奥行きを深めた坂口健太郎の力感あふれる演技はもちろん、複雑な表情に何かを秘める甲本雅裕、『アンナチュラル』とは別人のように姿勢よく演じる池田鉄洋、「木村祐一らしさ」全開でしゃべり続ける木村祐一など、味のある演技からも目が離せません。
 

見始めると席を外せない息詰まる展開といい、次週への胸騒ぎでザワザワさせる構成といい、今シーズン最も注目したい1作となりそうです。
 

テレ朝の刑事ドラマ3作も期待を裏切らないおもしろさ!

再集結した『9係』のメンバーに寺尾聡と山田裕貴が加わった『特捜9 警視庁捜査一課特別捜査班』(水曜夜9時/テレビ朝日系)。長い物には絶対巻かれない風来坊・青柳靖刑事(吹越満)も健在。 主任となった浅輪直樹(井ノ原快彦)を中心とした個性豊かなメンバーによるアンバランスでユニークなチームが、絶妙なコンビネーションで捜査を展開し、視聴者を魅了してくれます。
 

木曜夜9時にスタートした新番組『未解決の女 警視庁文書捜査官』(木曜夜9時/テレビ朝日系)は、鳴海理沙(鈴木京香)と矢代朋(波瑠)が所属する通称・文書解読係の活躍を描く刑事ドラマ。文書解読係こと第6係が所属する警視庁捜査一課は、season3を迎えた木曜8時から放送中の『警視庁・捜査一課長』に登場する捜査一課と同じ。つまり、鳴海と矢代の上司が大岩純一(内藤剛志)というテレビ朝日ならではの粋な設定も楽しめます。沢村一樹、工藤阿須加、高田純次、光石研、遠藤憲一、山内圭哉らが演じるクセの強い刑事たちも、お見逃しなく。
 

働く大人の胸の内を鋭くとらえた仕事ドラマ『ヘッドハンター』

若い人の視点で「仕事」をとらえたドラマは過去にもたくさんありましたが、『ヘッドハンター』(月曜夜10時/テレビ東京系)は、ミドルエイジにとっての「仕事」を切実に描いた新しいドラマ。終身雇用が時代とともに大きく変化し、どこでどう働くかが重くのしかかった熟年世代の「今」に鋭く迫ります。
 

制作はテレビ東京、脚本は林宏司、テレビ東京の経済番組に携わる江口洋介、小池栄子、杉本哲太がヘッドハンターを演じるとなれば、おもしろくないわけがありません。第1話では、未来への想いをカタチにする開発職の誇りや、動き続ける時代と組織の中で揺れ動くエンジニアの苦悩を、北村有起哉と高橋克実が生き生きと演じました。転職の現実、変化を続ける社会構造の中での生き残る厳しさをヒシヒシと感じながら、ヘッドハンター黒澤和樹(江口洋介)の言葉が突き刺さる辛口のドラマは、大人の男性こそ見てほしい作品です。
 

「働く」を考える視点が個性的!怖いもの見たさの仕事ドラマが登場

看護学校を描いた『いつまでも白い羽根』(土曜夜11時40分/フジテレビ系)の、リアリティーある実習風景に好感を抱いた視聴者も多いとか。ストーリーはなかなか一筋縄ではいかない気配ですが、働くことに向き合う若い気持ちは応援したくなります。
 

型破りすぎる『Missデビル 人事の悪魔 椿眞子』(土曜夜10時/日本テレビ系)は、組織の膿を出すためなのか、荒療法的成敗で企業に斬り込んでいく人事コンサルタントの痛快劇。刺激的なホラー仕立てが気になります。
 

春ドラマは始まったばかりで、ここからという作品も多いはず。この先、どんな展開が待っているのでしょうか。ぜひ楽しんで観てください。

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