年が明けて、最初のお出かけといえば初詣。その名のとおり、新年になって初めて社寺にお参りすることだが、いつまでに行くべきなのだろうか? 参拝の正しい作法やマナーについても知っておきたい。日本の文化に詳しい三浦康子氏が、All Aboutの『初詣の期間は松の内?いつ行けばいいの?』『初詣、ご利益があるのはどこの神社?』『神社の正しい参拝方法とマナー』で次のように詳しく解説している。
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初詣っていつ行くべき?
三浦氏によると、昔は元旦に参拝するものだったが、現在は、松の内に行くのが目安だという。
「門松や松飾りを飾っておく期間を松の内といいます。門松や松飾りは年神様がいらっしゃる目印ですから、松の内は年神様がいらっしゃる期間ということになります。初詣は正月行事のひとつであり、これまでの感謝と新年の無事や平安を祈る行事なので、年神様がいらっしゃる期間にお参りするというわけです」
本来は1月15日(小正月)までが松の内だったが、江戸時代に1月7日までとするようになり、現在も1月7日までというのが一般的。しかし、京都や大阪を中心とする関西地方では伝統を守っており、今でも15日までが松の内としていたり、仕事上の都合や時代の流れで、便宜上7日までとする傾向もみられると三浦氏は述べている。
大晦日から初詣に行くのはOK?
三浦氏によると、テレビなどの年越し中継では、年明けを社寺で迎える方々が映しだされるが、本来の初詣の名残りなのだという。
「かつては年籠り(としごもり)として大晦日から元旦にかけて徹夜で社寺にこもる風習があり、やがてこれが大晦日の夜の除夜詣と元旦の元旦詣に分かれて、現在は元旦の祝い膳(おせち料理)をいただいてから初詣に出掛けるようになっていきました」
神社の正しい参拝方法とマナーは?
まず、神社の鳥居をくぐると参道のわきにある「手水舎」は、参拝者が身を清めるために、手を洗い、口をすすぐ場所。「両手と口を洗い清めることによって心(魂)も清める」という意味があるので、必ず手水によって身を清めたい。「左手→ 右手→ 左手で口→ 口をつけた左手→ 自分が持っている柄杓自体→ きちんと戻す」という手順を覚えておくと安心だ。
よく耳にする「二拝二拍手一拝」(二礼二拍手一礼ともいいます)の手順についても確認しておきたい。
- 賽銭箱に賽銭を入れる
- 鈴を鳴らす
- 二拝(2回頭を下げて深くおじぎをする)
- まずは胸の高さで掌を合わせ、右手を少し下にずらして二拍手。その後、指先をきちんと合わせて祈りを込めてから手を下ろす。
- 最後に一拝をして終了
※「二拝二拍手一拝」が参拝作法の基本ですが、神社によっては特殊な拝礼作法を行っているところもあり、各動作には諸説ある。
自分はどの神社に行けばよい?
三浦氏によると、初詣は1年の無事と平安を祈る行事。本来は 氏神、またはその年の恵方にお参りするものだったが、今はそれとは関係なくお参りに行くのが一般的だという。一方で、神社は名前によってどんなご利益があるのかおおよその見当がつくといい、願い事とご利益が一致するところへお参りするという方法もあるという。
【 神宮 】 天皇の祖先神が祀られている ⇒平和、国家安泰、家内安全など万事
【 八幡 】 八幡神を御祭神としている⇒必勝祈願、安産祈願、厄除け、長寿など
【 天満 】 学問の神様・菅原道真が祀られている⇒合格祈願、学業成就など
【 稲荷 】 商業、農業の神様⇒商売繁盛、豊作祈願など
大人のたしなみとして、基礎知識を身につけたうえで、自分なりの初詣を楽しみたい。
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