その言葉通り、岩田剛典史上、もっともみっともなくてダサい主人公が見られるのが、この『金髪』で間違いありません。日本特有の社会問題や固定観念を今までに無かったような切り口で皮肉と愚痴と笑いを交えて描く、新感覚の映画になりました。
普段から意識していないと自覚しないような、気にも留めずに流れて行きがちな発言や行動。
確かに他人に言われてみたらちょっとダサいよね、みっともないよね、大人げないよね、、みたいな日常あるあるのオンパレード。
そんな絶妙に共感できる、若中年あるある描写が多くてきっと中高年の皆様には必ず刺さると思います。ぜひぜひ、全国のおじさん、おじさん予備軍の皆様に見て笑って頂きたいです。共感しすぎて自分が嫌になっちゃう人もいるかも。
でもきっと劇場を出る時はちょっとスッキリして晴れやかな気持ちで劇場を後にして頂けます。
今まで演じた中で多分ダントツでみっともなくてダサい主人公を演じました。
シンプルに「いつもはあんなにカッコいい岩(ガン)ちゃんがこんなにダサく見えることってあるんだ」と衝撃を受けました。しかも、「おじさんを自覚していない」男性に痛烈な指摘をするばかりか、「俺ってもうおじさんだからさ」と「わかっているつもり」のヤツもグサグサと刺してくる案件だったのです。 30代の中年男性である筆者個人としては、見ている間はクスクスと笑って楽しんでいたものの、見た後にはものすごく落ち込みました(良い意味で)。
岩田剛典の言う「共感しすぎて自分が嫌になっちゃう」か「ちょっとスッキリして晴れやかな気持ち」になるかは見る人次第ではありますが、それはそれとして、面白い映画であることは間違いありません。内容に触れつつ、特徴と魅力を紹介していきましょう。
1:論理的なナレーションがむしろカッコ悪い
主人公である中学教師・市川は30歳。彼を悩ませていたのは、担任クラスの生徒数十人が、髪を金色に染めて登校してきたこと。前代未聞の「金髪デモ」はマスコミやネット、さらには文科省まで巻き込む大騒動へと発展していくのです。
たとえば、「日本における教育の重要性は高まるばかりだ。つまり私が日本を支えていると言っても過言ではない」と自意識過剰なことを考えたり、「今月の私のサービス残業の時間を教えてあげたいくらいだ」とグチをこぼしたりと、論理的な言い方そのものは岩田剛典の声も相まってカッコいいけど、その中身は共感できても実にしょうもない様にニヤニヤしてしまうのです。
一方で、「でもそう言うことくらいしかできないよなあ」と、彼に同情をする人も多いのではないでしょうか。なぜなら、中学校の先生という仕事、引いては中間管理職的な立場の大変さも描かれているから。
さらに総理大臣からの「鶴の一声」で校則変更が白紙になり、さらに急な方針変更に反発するかのように金髪の生徒が増えて……と、振り回され続ける姿はおかしいやら、悲しいやら。「そりゃ心の中でグチをこぼすし、生徒に当たり障りのないことしか言えなくなるかもな」と納得できてしまうのです。



