身長の伸びには、遺伝だけではなく子どもの栄養状態が影響しているそう。だからこそ、「成長期の子どもの食事は大切にしましょう」と身長治療のスペシャリスト・田邊雄(東京神田整形外科クリニック院長)さんは言います。
そこで取り入れたいのが魚介です。肉と同じように良質のたんぱく質が豊富で、ビタミンDを含むものがたくさんあります。
田邊さん曰く、「魚介の中でおすすめしたいのが、サバ水煮缶」なのだとか。カルシウムの量が多く、子どもの栄養で不足しがちな鉄や亜鉛、ビタミンDもしっかり含まれているからです。
身長の伸びに関わる栄養と摂り方について、田邊さんの書籍『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30』(Gakken)から抜粋・編集して、紹介します。
肉と魚介は1:1のバランスを心がける
肉や魚介には、子どもの身長を伸ばすために必要な栄養が豊富に含まれています。
肉・魚介の栄養ポイント
1. 肉、魚介はともに良質のたんぱく質が豊富2. 魚介はビタミンD、鉄を多く含むものが多い
3. 骨ごと食べる魚介はカルシウムを多く含む
4. 魚介(特に青魚)はオメガ3を含むものが多い
どちらかに偏らず、いいとこ取りをしよう
肉と魚介はどちらも優秀なたんぱく源。成長に欠かせない必須アミノ酸をバランスよく含む点でも同レベル、100gあたりのたんぱく質含有量もほぼ同レベルです。だからといって、肉ばかり、魚ばかり、さらに同じ種類ばかりを食べるのは、おすすめできません。偏らずにいいとこ取りをしたほうが、成長のためにはいいからです。
たとえば、魚介には肉にはほとんど含まれないビタミンDを含むものがたくさんあります。骨ごと食べられるものならカルシウムもたっぷり摂れます。マグロやカツオ、サバなどには鉄やビタミンB群も豊富。
さらに、青魚や鮭、マグロやカツオなどの脂に多く含まれるオメガ3不飽和脂肪酸(以下・オメガ3)には、神経伝達をスムーズにして脳の認知機能を向上させたり、体内の炎症を抑え、アレルギー症状を軽減させる働きが認められています。成長期の子どもにとって有意義な働きがたくさんあることがわかります。
肉の場合も同様にメリットがあります。牛肉には鉄や亜鉛が豊富に含まれており、豚肉や鶏ササミやムネ肉はビタミンB群が豊富です。
それぞれのいいところを上手に取り入れるためには、肉と魚介を1:1で摂るよう心がけてみてください。
完璧にできなくてもかまいません。たとえば、朝食で魚介を食べなかった場合は、夕食で魚介を食べる。前日、肉ばかりを食べてしまったら、次の日は魚介をメインにするといった感じで意識して実践するだけで、大きく偏るのを防げます。



