■洗米で味が落ちる理由
まずは、お米の構造について考えてみようと思います。お米は、大きく分けて、4つの部分に分けることができます。

 

●(1)籾殻……お米を守る分厚い皮。

 

●(2)ぬか層(米ぬかと呼ばれる部分)……お米の養分を守る皮。食物繊維・ビタミン・ミネラル・脂質など、栄養が含まれていて、旨味層と呼ばれる旨味成分が詰まった薄い層があります。

 

●(3)胚芽……芽や根の素となる部分。お米全体の6割強の栄養成分が含まれています。

 

●(4)胚乳……成長に必要な養分の貯蔵庫。主に炭水化物とたんぱく質でできています。

 

籾殻を取り除く作業を「脱穀」、ぬか層と胚芽を取り除き胚乳だけを残す作業を「精米」といいます。脱穀を終えた米が玄米、精米を終えた米が白米です。洗米は、精米で残ったぬか層と、表面についた汚れを落とすために行います。

 

ここで、ぬか層に注目してください。

 

ぬか層は、胚乳よりも豊富な栄養と旨味が詰まった「旨味層」が存在する、まさにオイシイ部分です。そのオイシイ部分を精米や洗米で敢えて取り除いてしまうのは、なぜなのでしょう? これこそが、味が落ちてしまうことと、酸味のあるにおいの犯人なのです。

 

ぬか層には、油を搾って米油を作ることができるほど、多くの脂質が含まれています。脂質はとても酸化が早く、においと食感の低下の原因となるほか、炊飯時にお米の甘味と粘りを引き出す「糊化」に必要な水分の吸収の妨げにもなると考えられます。できるだけ劣化させずに白米を流通させるために、酸化とにおいの犯人であるぬか層を取り除く「精米」が必要となるのです。

 

ほとんどのぬか層は精米で取り除かれますが、完全には取り切れないので、最終的に洗米によって残ったぬか層を取り除きます。洗米中の白い汚れに見えるものは、実は精米で残ったぬか層。洗米するほど味が落ちてしまう原因は、残っているぬか層に含まれる旨味が、洗米によって洗い流されてしまうからだったのです! ですから、旨味を残してご飯を炊くには、ぬか層を取り過ぎない「ズボラ洗米」が良いのです。現在の精米技術では、ほとんどのぬか層は精米で取り除かれていますので、昔のようにゴシゴシとお米を研ぐ必要はありません。

 

■個人的にベストな洗米方法
しかし、わずかながらも残ったぬか層は、旨味を残してくれると共ににおいの原因にもなります。まったく洗わない完全ズボラ洗米では、残ったぬか層から放出されるにおいがどうしても気になってしまう……。

 

というわけで、あくまでも余分なぬか層は洗い流したいというのが正直なところです。ちなみに、真っ白な水に浸けながらの洗米や真っ白な炊き水も、お米がぬかごと水を吸ってしまってにおいのもととなりますので、洗米時には注意してください!

 

旨味を残し、ぬか臭が気にならないご飯を炊くには、汚れとぬか層は洗い流しつつも、洗い過ぎないことが大切。ずばりB「プチ・ズボラ洗米」が個人的ベストです!

 

今日からは、【やさしくかき混ぜる・水で流す】を2~3回繰り返す、頑張らない「プチ・ズボラ洗米」で、「耐える洗米」を卒業し、旨味を残しつつくさみのない美味しいご飯を炊いてみてくださいね!