アメリカの研究チームが重力波の観測に初めて成功したというニュースが世界を駆け巡りました。重力波の存在は、アインシュタインの相対性理論で100年前に予言されていました。すごいことだと感動しまくりのぼくのような人種がいる一方で、なんのことやら分からんという人もいます。少しでも科学の面白さを伝えたいので、無理を承知でざっくりと簡潔に書いてみます。

 

まず相対性理論の説明です。「相対性」の対義語は「絶対性」です。何が相対性なのか、絶対性なのかというと、時間・空間の性質のことを指しています。

 

アインシュタイン以前の科学は、絶対性の立場を取っていました。時間・空間は、伸びたり縮んだりしない、絶対的なものだというのです。これは一般の人々の感覚にマッチしています。例えば、空間の長さを表す1mが、日本とアメリカで違うとは考えません。日本での1時間と、アメリカでの1時間が異なるとも考えません。

 

ところがアインシュタインが研究した結果、実はそうではないことが分かりました。時間・空間は相対的なものだったのです。立場によって、時間の進み方も変わってしまうし、同じ物でも長さが違ってしまうのです。ぼくとあなたの時間・空間は異なるのです。

 

映画『猿の惑星』では、数年間宇宙旅行をしたロケットが、数千年後の地球に帰って来るというストーリーが描かれています。相対性理論によれば、このようなことは起こり得ます。運動している速度が速いほど、時間の進み方が遅くなるのです。厳密にいうと、ぼくらが車・電車・飛行機などに乗っても時間は遅れていますが、速度が遅過ぎてその効果が目に見えて分からないのです。

 

また、重力でも時間・空間がゆがみます。重力が強い所ほど時間が遅れます。高い所より低い所のほうが(地球の中心に近いほうが)重力は強いので、エベレスト山頂よりもマリアナ海溝の底のほうが時間の進み方は遅くなります。海底の竜宮城で数日間過ごした浦島太郎が、地上に戻ると何百年経過していたという話は、実に相対性理論的です。ですから科学の世界では、こうした時間の遅れをウラシマ効果と呼んでいます。

 

実際には、地球程度の重力ではこれほど時間は遅れませんが、光さえ脱出できない強い重力のブラックホールでは、時間がほぼ止まってしまいます。ちなみに、ブラックホールの存在も相対性理論が予言したものです。